テーマ : 清水エスパルス

⚽清水エスパルス・主将鈴木義宜「闘将」体現 さあ終盤戦「J1復帰」背負いチームけん引【しずスポ】

 J2清水のDF鈴木義宜(30)が、1年でのJ1復帰に向けて勝負の終盤戦を迎えたチームを引っ張っている。加入3年目の今季、単独で主将に就任。「より多くの試合で勝つために、できることは全てやりたいし、皆の支えに僕自身がなりたい」。人一倍の責任感を背負い、大役を担う。

J1復帰に向け、主将としてチームを引っ張るJ2清水の鈴木義宜(杉山英一)
J1復帰に向け、主将としてチームを引っ張るJ2清水の鈴木義宜(杉山英一)
J1復帰に向け、主将としてチームを引っ張るJ2清水の鈴木義宜(杉山英一)

 言葉よりも、背中で示すリーダーだ。守備の要として黙々と体を張り、ゴールを守る。むろん、必要な場面では声を張り上げて味方を鼓舞する。普段の練習の中では、合流間もない選手のそばにそっと身を置くような気遣いも見せる。
 念頭にあるのは、ベテランとしての振る舞い。「若手の目標や指針となれる存在であり続けたい」という思いが、自身を貫く。練習への向き合い方、一つ一つのプレーへのこだわり-。プロの世界で長く生きる一人として、あるべき姿を日々体現する。
 2年前、選手生命の危機を経験した。試合中の負傷で頭蓋骨が折れた。命にも関わりかねない頭部の損傷で専門医の診断が出るまでは引退も考えた。空中での競り合いが特に多いセンターバックというポジション。もう一度同じようなことがあれば、引退はさらに現実味を帯びる。「これが最後になるかもしれないという思いと不安」は毎試合、胸の内にある。
 それでも、「このエンブレムを代表して戦う」と自らを奮い立たせ、頭に保護具を巻き付けてピッチに足を踏み入れる。今季はここまでフィールドプレーヤーとしては最多の出場時間を記録。けがをする以前よりも重みの増した1試合1試合を積み重ねる中で、7月にはJリーグ通算300試合出場を達成した。
 プロ入りから6年間所属した大分では、2度の昇格を経験している。三たび、あの歓喜を味わうために。「このチームを勝たせるために自分のベストを尽くす」。頼もしい後ろ姿を仲間に示しながら、背番号50は先頭に立ち続ける。
 (運動部・市川淳一朗)

 すずき・よしのり 1992年9月11日生まれ。宮崎県出身。宮崎日大高、宮崎産業経営大を経て2015年に大分に加入。16~20年には166試合連続フルタイム出場という記録を残した。21年に清水に完全移籍。昨年、娘が生まれ、第2子が11月に誕生予定。

いい茶0

清水エスパルスの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞