小野伸二選手引退へ　沼津出身、元日本代表の４４歳　エスパルスでもプレー

運動部　市川淳一朗

　サッカー元日本代表でＪ１札幌のＭＦ小野伸二が、４４歳の誕生日を迎えた２７日に今季限りでの引退を表明した。自身のインスタグラムに「今シーズンを最後に、プロサッカー選手としての歩みを止めることを決めました」と記した。

清水在籍時に磐田との静岡ダービーでプレーする小野伸二。今季限りでの現役引退を表明した２０１０年７月１７日、アウスタ日本平（写真部・久保田竜平）

　１９９８年に静岡・清水商高（現清水桜が丘高）から浦和入りし、９９年の世界ユース選手権（現Ｕ―２０Ｗ杯）では準優勝に貢献。当時、有望な若手がそろった「黄金世代」の筆頭格の選手として、フェイエノールト（オランダ）でも活躍した。
　日本代表では１８歳でワールドカップ（Ｗ杯）フランス大会に出場するなど３大会連続でメンバー入りし、国際Ａマッチ５６試合６得点。Ｊ１では２０６試合２９得点。

「唯一無二の存在」元同僚ら〝天才〟の引退惜しむ
　日本代表や古巣のＪ２清水の元同僚が思いを語った。
　清水の市川大祐コーチ（４３）は２００２年のワールドカップ（Ｗ杯）日韓大会で、小野とともに日本の１６強入りに貢献した。１９９８年のＷ杯フランス大会で市川コーチは直前でメンバーから漏れ、小野も１試合の途中出場にとどまった。ともに悔しさを経験した４年後に、同じピッチに立てたことを良い思い出として振り返る。
　１学年上の小野とは中学時代に初めて対戦し、「こんなにうまい人がいるんだ」と衝撃を受けた選手だった。「唯一無二の存在。小野さんしか持っていないサッカー観を伝えてもらいたい」と引退後の活躍にも期待した。
　小野は２０１０年から１２年途中まで清水に所属し主将も務めた。一緒にプレーした高木純平氏（４１）＝現清水スタッフ＝は、メンバー外の選手を気にかけて食事に連れ出してくれた小野の後輩思いの一面を明かす。「黄金世代の象徴的な存在。一時代の終わりを感じる」と惜しんだ。
　（運動部・市川淳一朗）