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地域の脱炭素を「アシスト」⚽清水エスパルス、環境教育に力

 サッカーJリーグ2部(J2)清水エスパルスが、地元の企業などと連携して環境教育プログラムを展開している。脱炭素社会の実現を目指すクラブの取り組みの一環。知名度や発信力を生かし、サッカーと異なる分野でも地域貢献を図っている。

自然由来の原料で作られた容器が土壌分解された様子を確認する子どもら=8月下旬、静岡市清水区
自然由来の原料で作られた容器が土壌分解された様子を確認する子どもら=8月下旬、静岡市清水区

  8月下旬、静岡市清水区三保の畑に親子連れが集まった。この日は6月に続く2回目のイベント開催。小学6年までの子どもと保護者を対象としたプログラムのテーマは、資源循環だ。
  エスパルスの拠点がある三保は海に囲まれた地域。プログラムは海洋ごみ問題を出発点に構成された。参加者は海岸に落ちているプラスチックごみなどを実際に拾って現状を知った後、自然由来の原料で作られている容器の存在を学んだ。
  容器はサトウキビの搾りかすを活用しているため、土壌分解が可能。初回のイベントで容器を使って食事をした参加者は、2回目で土の中に混ぜた容器の変化を確認した。約2カ月で原形がすっかりなくなり、子どもたちは「すごい」などと驚きの声を上げた。
  自社で取り扱う容器を提供したのは富士市に営業所がある折兼(名古屋市)。エスパルスの環境問題への対応に賛同し、イベントへの協力を決めた。担当者は「自分たちで発信するには限界がある。エスパルスが結び付けてくれた」と感謝する。普段はサッカーでエスパルスと接点を持つ参加者も歓迎。息子2人を連れて参加した同区のパート岩崎美樹さん(42)は「子どもにまた違う興味を持たせてくれた」と話す。
  畑を会場とした今回のイベントでは、地元の福祉事業所や有機肥料を手がける飼料会社も関わった。「地域のハブ(結節点)になることが使命」と企画したエスパルス教育事業部の若杉亮介さん(47)。「自分たちが取り組むことで新たに目を向けてもらうきっかけになれば」と意義を語る。
  (運動部・市川淳一朗)

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