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⚽清水エスパルス・白崎凌兵 運命の4戦へかじ取り役の決意 J1昇格、2位浮上で再び圏内【しずスポ】

藤枝戦でプレーする清水・白崎=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介) 1年でのJ1復帰を期して今季を戦っているJ2清水で、キーマンと言える役割を果たしているのがMF白崎凌兵(30)だ。「ピッチではボランチに全権がある」と秋葉監督がかじ取りを託すポジションで、主力としてプレー。“旗振り役”としての使命を全うし、チームに歓喜をもたらす決意だ。

 4月に就任した指揮官は、試合中の選手たちの判断を尊重する考えを常々口にしている。その中心にいるのが心臓部を担うボランチ。白崎にはリーダーとしての振る舞いが求められている。
 元々、「自分が中心となって攻守を動かす」と強い自覚を持つ司令塔だが、今は重みをより感じている。「試合の流れを読んで、何が必要かをもっと感じていかないといけない」。前後のポジションのMF乾やDF鈴木らとも意見を合わせながら、フォーメーションやプレッシングの位置など、最善の選択に思考を巡らせる。
 これまでに成功体験もあった。7月の敵地大分戦。一度は3バックにした布陣をピッチ内の判断で4バックに戻し、流れを引き寄せて白星に結びつけた。「成長した部分の一つかな」。的確な判断を導けた確かな手応えは残っている。
 もちろん、首脳陣の示す戦術が試合に臨む上での大前提にある。だからこそ、指揮官とは人一倍言葉を交わす。その時間で外からの見方と、自らの感覚をすり合わせる。「ピッチ内で任せられているからこそ、監督の考えと自分の考えが近くないとだめだと思っている。ずれを生みたくない」との胸の内が行動に表れる。
 チームはJ1自動昇格圏の2位で運命の残り4戦に向かう。勝つ確率を考えた上で、今は攻撃に絡みたいという欲を抑えて、全体のバランスを取る役回りを優先する。心がけるのは「感情的にならずに常に冷静でいる」こと。5月に30代に足を踏み入れた天才肌は、静かにチームの目標達成だけを見据えている。
 (市川淳一朗)

藤枝戦で相手の攻撃を防ぐ清水・白崎(中央)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)

 しらさき・りょうへい 1993年5月18日、東京都生まれ。山梨学院大付高から2012年に清水入りし、期限付き移籍を挟みながら18年までプレー。J1鹿島への完全移籍を経て22年に清水に復帰した。今季はここまでリーグ戦31試合に出場して2得点を記録している。 

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