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梱包材技術→水害時の水嚢、避難所エアーベッド 沼津のニチワ開発、防災用品に参入

 梱包材の開発・製造のニチワ(沼津市)は防災用品の製造販売を始めた。自然災害の頻発化、激甚化を受け「持っている技術が生活を守る役に立てば」(阿部留松社長)と参入を決めた。

ニチワが開発した水嚢(中央)とエアーベッド=沼津市
ニチワが開発した水嚢(中央)とエアーベッド=沼津市

 一度入れた空気が抜けない独自の逆止弁を使い、水を入れて家屋の入り口などに置き浸水を防ぐ「水囊(すいのう)」と避難所で使う「エアーベッド」を開発した。水嚢はポリエチレンとナイロンのフィルム製。水を入れる縦長の空間が円形に並び、全体が自立する。横に寝かせる土嚢に比べて防水効果が高いという。生活用水の貯蓄にも役立つ。
 エアーベッドはコンテナ用の大型梱包材を改良した。内側の素材はポリエチレンのまま。外側の素材を変え、肌触りがよく、ぬれても拭き取れるようにした。阿部社長は「クッション性が高く、寝心地がいい」と話す。普段は小さくたたんで収納できるのも利点だ。
 家屋に入った泥を運び出すのに苦労する人や避難所で不自由な日々を過ごす人の映像を見て、「何とかしたい」と開発をスタートした。いずれも受注販売。自治体などに売り込む。大きさは要望に応じる。今後、簡易トイレ作りにも取り組む。
 製品の一つで、フィルムに空気を入れるだけの梱包材「エアーボックス」も災害時に有用とみている。衝撃に強く防水性が高いため、ドローンを使った物資搬送に活用できると見込む。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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