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記者コラム「清流」 苦難からの「自己救済」

 狂気すら感じる細かな幾何学模様が連なる抽象画。恐る恐る作者の画家本田照男さん(77)=沼津市=と話すと、元々焼き肉店を営んでいた商売人らしい気さくな人柄でホッとした。
 60歳を過ぎて絵を描き始めた本田さんは創作を「自己救済」と語る。自身への差別、心臓の病、家族との離別―。音楽を聴きながら絵筆を走らせることで、苦難を作品に昇華させてきた。ストレス過多の現代。ふと、私にとっての「自己救済」は何なのだろう―と考えてしまった。
 世界では戦争が続き、SNS(交流サイト)でも苦しさやねたみを背景にしたとげとげしい言葉であふれ、争いが絶えない。「絵が描ける世界は平和」と語る本田さん。絵を描く
(東部総局・尾藤旭)

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