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テーマ : 掛川市

原発30キロ圏、土砂崩れで道路寸断の恐れ「事前に迂回路検討を」 浜岡周辺の住民指摘

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)から30キロ圏内では9市町の計27路線が、土砂崩れなどにより寸断の恐れがある緊急輸送道路に該当した。能登半島地震では石川県が定めた北陸電力志賀原発の重大事故時の避難経路11路線中7路線が一時通行止めになった。静岡県の関係自治体の間には「能登半島とは地理的条件が異なり、複数の道路があるため孤立は考えにくい」と冷静な受け止めが広がるが、住民からは「迂回(うかい)路の組み合わせを事前に検討していくべき」との意見が上がる。
 「主要道路が使えなければ、住民はどの道で避難すれば良いか分からず、混乱するだろう」。御前崎市町内会長連合会の水野克尚会長(69)は災害時の不安を口にする。南海トラフ巨大地震の発生に伴って浜岡原発が重大事故を起こした場合、市民は自家用車で浜松方面の避難退域時検査場所を経由し、長野県へ避難する。だが、緊急輸送道路に指定されている市内二つの県道はいずれも一部区間が土砂災害警戒区域に含まれる。柳沢重夫御前崎市長は「迂回できる道路があるため避難に支障はない」と分析するが「緊急時はいち早い道路啓開が不可欠」と指摘する。
 掛川市と島田市では新東名高速道や国道1号バイパスを含め、それぞれ7区間で寸断の可能性がある。久保田崇掛川市長は「引き続き、バイパスの片側2車線化を国に要望していきたい」と道路機能を増強する必要性に言及した。島田市危機管理課の大池信司課長補佐は「市民に冷静な避難行動を呼びかける必要がある」と的確な情報発信方法を模索する。
 静岡県危機管理部の黒田健嗣危機管理監は「想定避難経路が寸断された場合、即座に迂回路を設定できるかが重要。市町には図上訓練などを通じた対応の検証を促していく」と述べた。

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