茶焙煎全工程を電化 中電とカワサキ機工が開発
中部電力と茶業機械製造のカワサキ機工(島田市)は、電気ヒーターを使った茶焙煎(ばいせん)機を共同開発した。2024年度の商品化を目指す。業界で初めて焙煎の工程全てを電化した。温度が把握しやすく、人材不足や高齢化が課題となる中、安定的な焙煎につなげる。
2段式のコンベヤーを採用した。振動するコンベヤーで水分量の多い茶葉の付着を防ぎ、スチール製のベルトコンベヤーでむらなく加熱できる。ヒーターと茶葉を近づけることで効率の良い火入れを可能とした。茶葉の温度を感知するセンシング機能も搭載。温度変化を1度単位で把握でき、経験の浅い人でも安定的に火入れをしやすくなる。
両社は18日、掛川市伊達方滑川のカワサキ機工技術センターで開発品を報道関係者にお披露目した。茶焙煎機は従来ガスバーナーを熱源としているが、電化することでエネルギー効率を15%向上させたという。中部電力の担当者は「業界が抱える技術継承の課題解決に取り組んでいく」と話した。