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人気天ぷら店「成生」で修業重ね 焼津に専門店開業 中村さん(吉田出身)、早くも予約殺到

 静岡市葵区の人気天ぷら専門店で修業を重ねてきた中村友紀さん(38)が独立し、焼津市栄町に天ぷら専門店を開業した。食材には地元で取れる魚と野菜を使用。鮮度が高い状態でその日のうちに提供したいという思いから、魚の町焼津への出店を決意。住まいも移した。8年間の修業で培った腕は確かで、早くも予約が殺到している。

開店準備の作業をする中村さん=焼津市栄町
開店準備の作業をする中村さん=焼津市栄町


 店舗の名前は「なかむら」。16年ほど前に閉店した老舗日本料理店「月の森」の後に入った。カウンターに7席。「しっかりと料理を提供したい」(中村さん)と予約制にした。
 魚は市内の老舗「サスエ前田魚店」から仕入れ、野菜は懇意にしている焼津市や吉田町の農家から朝一番で入手する。メニューはあらかじめ定めず、その日入手できたアジやタイ、トウモロコシといった食材とにらみ合いながら決める。
 中村さんは吉田町出身で、20歳の頃に飲食業に飛び込んだ。居酒屋に勤務していたときに、サスエ前田魚店の品質の高い食材に触れて、いつか魚を取り扱ってみたいと思い始めた。同魚店でおろし方など基礎を学んだ後に、30歳で静岡市葵区の天ぷら専門店「成生」の門をたたき、店主である志村剛生さんの下で腕を磨いた。
 開業してから約1カ月。カウンターに座る地元客から、久しぶりに店に明かりがともったことを喜ぶ声も多いという。中村さんは「地元の人にとって思い出詰まった店。期待の大きさを感じやりがいがある」と熱い口調で語る。
 出店はしずおか焼津信用金庫がサポートした。同信金の近藤充広調査役は、飲食は宿泊の動機になるとした上で、「食を通じて焼津の観光が盛り上がれば」と期待を込める。

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