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キャンプフェス人気 テントでまったり♪音楽にうっとり 富士山麓で団らん【しずおかアウトドアファン】

 キャンプと音楽を野外で同時に楽しめる「キャンプフェス」が人気だ。豊かな自然に恵まれた県内は、有名アーティストが登場する大型フェスも毎年開かれる。13、14の両日、富士市桑崎の富士山こどもの国を舞台に開かれた「FUJI&SUN’23」(実行委主催)には2日間で延べ約4500人が来場。富士山麓の自然に親しみながら、思い思いに過ごした。

キャンプ区域がステージに近いのがFUJI&SUNの特徴
キャンプ区域がステージに近いのがFUJI&SUNの特徴

 裾野市との市境付近に広がる富士山こどもの国。富士山と愛鷹山の谷間に位置し、普段は親子連れが遊びに訪れる広さ約94・5ヘクタールの広大な都市公園だ。
 しかし、この日は趣が違った。比較的平らな芝生の広場に、音楽ライブ用の大型仮設ステージが出現。来場者が自ら設営した色とりどりのテントが、ステージが見える草原や、離れた林の中に並んだ。音楽ステージは大小2カ所。2日間にわたり、計21組のミュージシャンが代わる代わる登場するステージを、泊まり込みで楽しむ。ステージ前に陣取ったり、飲食や物販のブースを回ったりと、来場者の過ごし方はさまざまだ。  忙しくない状態に photo01

 ステージが遠目に見える小高い場所にテントを張った相模原市緑区の山口展巨さん(52)は、静岡県内に住む友人と一緒に、昨年に続いて会場に来た。もともとキャンプは好きだという。「普段は仕事のストレスもあって、忙しいじゃないですか。キャンプに来ると“何も忙しくない”状態になれる」
 今回は音楽ライブに参加するというよりも、キャンプをしている所で生演奏を楽しむ、という感じだ。音楽ステージとテント区域が離れたフェスもあるが、FUJI&SUNは比較的近く、場所を選べばテントにいながら音楽も聞ける。「たき火をする人もいるようだけど、カセットこんろでおでんを温めて食べるつもり。何もしないで楽しみたい」とリラックスした表情を見せた。  子どもも楽しめる photo01
 家族連れの参加も多いFUJI&SUNは、広い会場全体を活用。音楽ステージと並行して親子で参加できる体験プログラムも設定した。講師は全国的に著名な登山家や冒険家などのグループ「人力チャレンジ応援部」。特設テントなどでロープの結び方や、正しい走り方、ストレッチなどのミニ講座を開いた。
 埼玉県坂戸市から家族5人で来場した小島寿仁さん(35)は、家族5人で講座に参加した。「子どもたちはフェスは初めて。キャンプフェスだと子どもが疲れた時はテントで休める。会場もゆったりとしていて、子どもが楽しめるプログラムが豊富なのは良い」。音楽ステージだけにとどまらない野外イベントだからこそ、親子で来やすいようだ。  雨天の中の非日常 photo01
 朝から晩まで組まれたプログラムに好みのペースで参加できるのが、キャンプフェスの特徴だ。初日は降り続いた雨も夕方には上がり、ステージ終了は午後9時。夜のとばりが下りた会場は、にぎやかな日中とは一変した。
 2日目は早朝から、周辺の山でのハイキングや「朝の筋トレ」のプログラムもあった。雨は再び降り出したが、ステージは有名アーティストの登場で初日同様に盛り上がった。
 家族で最近キャンプを始めたという東京都杉並区の新誠司さん(45)は「テントの下がぬれていたけど、眠れました」と苦笑い。妻の綾さん(39)は「子連れだと音楽ライブに行く機会が少ない。屋内は音も大きすぎて…。天候は悪かったけど、みんながかっぱを着て参加する雨の中のライブも良かった」と、非日常を楽しんだ様子だった。
 (生活報道部・山本淳樹、草茅出)
 静岡県内、6月以降もにぎわう
 大都市圏からのアクセスが優れた静岡県内は例年、著名アーティストが出演するキャンプフェスが開かれ、全国からの来場者でにぎわう。今夏は6月3、4の両日に「頂-ITADAKI-2023」が吉田町の県営吉田公園で、7月15~17日に「apbankfes’23」が掛川市のつま恋リゾート彩の郷でそれぞれ開催予定。いずれも有料。

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