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環境への視野より広く 松浦スチロール工業所(吉田町) 松浦令和社長【キーパーソン】 

 1956年創業の発泡スチロールメーカーとして魚箱や緩衝材、建材などを製造し、県内トップのシェアを誇る。原油高といった製造コストの高騰に加え、企業として環境問題への取り組みが求められる時代にどう対応するのか、新社長に聞いた。

松浦令和社長
松浦令和社長

 -自社の強みは。
 「創業以来培った発泡スチロール製造のノウハウは最大の強み。魚箱やフルモールド用ブロック、家電の緩衝材と構造部材、農業資材など多種多様なスチロール製品を生産することができる。町内に大規模な生産拠点を3カ所設けていることで生産能力も高い。魚箱など新型コロナウイルスの影響で落ち込む製品も一部あったが、巣ごもり需要による家電関連の受注でカバーできた」
 -原油高の影響は。
 「主原料は値上がり、生産コストの部分でも大きな影響を受けているのが現状で、今を有事と捉えている。苦しい状況だが、長年の信頼関係や、断熱性、軽さなどの品質を評価して取引を続けてくれている顧客がいる分、コストがかかっても高い品質を維持していくことが重要だと考えている」
 -業界の課題を踏まえた今後の展望を。
 「環境に対する思いは創業当初から強い。2003年には環境経営方針を制定し、リサイクルを目的としたスチロール回収や生産過程における環境への負荷軽減に努めてきた。初代、2代目が貫いてきた志を引き継ぎ、海洋プラスチックごみの改善などさらに広い観点から業界をリードする意欲で進めたい」

 まつうら・のりかず 大学卒業後、総合化学メーカーを経て2000年に入社。現場のオペレーターや営業、製造部門などを歩み、今年11月に3代目社長に就任。吉田町出身。49歳。

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