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親族承継の事例 若手経営者語る 静岡でセミナー

 日本政策金融公庫静岡支店などはこのほど、事業継承の実例を紹介するトークセミナーを静岡市葵区の静岡商工会議所で開いた。県中部の企業や商工団体関係者など約60人が、親族内承継した若手経営者の思いや引き継いだ経緯などの話に耳を傾けた。

親族内承継の実体験を聞く関係者=静岡市葵区の静岡商工会議所
親族内承継の実体験を聞く関係者=静岡市葵区の静岡商工会議所

 同区でホテルドルフ静岡を展開するダイオーの吉野倉康社長は、早期に先代社長の父から引き継ぐ意思を固めたと説明。現場仕事に従事しながら、金融機関との折衝など交渉にも同席し、段階的に経営ノウハウを学んだという。父は急逝し、新型コロナウイルス禍などの苦境にも直面。「事業の完成像を頭に描いてから着手しろ」との父の教えを胸に、ホテル屋上をバーベキュー会場に利用するアイデアや補助金の有効活用などで業績を回復させた事例を紹介した。自身の経験から「承継計画を早めに立て、一人で悩まず商工会議所などに積極的に相談を」と助言した。
 5年後にアルミ型材加工の静岡物産(吉田町)を承継予定の増田信悟専務は、新規事業立ち上げを志して別会社に就職したが、実父である現社長から「会社の信用を基に社内で起業した方が良いのでは」と助言を受けて入社した経緯を披露。社長就任に向けて「信頼の蓄積を生かし、多様な人材を育成して会社を成長させたい」と力強く語った。
 同セミナーは県事業承継・引き継ぎ支援センターが定めた「事業推進月間」に合わせ実施した。10月6日には浜松、13日には三島の両商工会議所でも開催される。

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