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テーマ : 菊川市

キャンプギア「静岡県発」続々 テーブル、たき火台… 個性的デザインで存在感【しずおかアウトドアファン】

 アウトドアレジャーの主役としてキャンプの人気が高まる中、静岡県内でもキャンプ用のギア(道具)の製造、販売に乗り出す企業が増えている。小規模ながらも、大手メーカーにはない個性的なデザインや使いやすさといった特徴を打ち出し、静岡県発の「ガレージブランド」として存在感を高めつつある。

たき火台や鍛造フライパンなど多彩な商品が魅力の「アイアンクラフト」=菊川市
たき火台や鍛造フライパンなど多彩な商品が魅力の「アイアンクラフト」=菊川市


伝統の紗綾形模様に
 「2014年に創業し、今では約30種類の商品を手がけるようになった。静岡だけでなく、台湾や香港などからも注文が来る」―。「アイアンクラフト」のブランド名で製品を開発しているアウトリガー(菊川市)の黒田憲一社長は手応えを語る。
 事業を始めたきっかけは、建設業を営む黒田社長が知人からキャンプテーブルの製作を依頼されたことだった。元々は個人用だったが周囲の評判が良く、事業化を思い立った。
 これまでに伝統的な紗綾形[さや]模様をあしらったたき火台や鍛造フライパンなどを発売。ちょうつがいなど壊れやすい部品を極力少なくし、頑丈さを高めたという。黒田社長は「調理用スパイスも商品化した。今後はキャンプで使う消耗品も手がけたい」と構想を描く。

軽量さ、機能美追求 photo03 軽量で機能的なたき火台やウッドストーブを展開する「ASOBU」=沼津市
 防災にも応用できる軽量さや機能性をアピールするのは20年にスタートした沼津市の「ASOBU(アソブ)」。たき火台は、大きさによって200~1500グラム程度と軽量で、折りたたむとA5~A3サイズの大きさになる。組み立ても数十秒で済むほど簡単だ。各パーツはできる限りつながった状態になるように設計することで、紛失しにくいようにした。
 新作のウッドストーブは折り畳んだ際に留め金となる部品がトングとしても使えるなど、機能美も追求した。JR沼津駅北口そばに路面店もオープンした宮内保昌代表は「普段はキャンプで楽しく使えて、いざという時に役立つ製品を作っていきたい」と話す。

ソロキャンパー意識 photo03 多機能なテーブルなどがそろう「NORA HOLIC」=浜松市南区
 沢根スプリング(浜松市南区)は、輸送用機器向けのばね製品の製造などで培った金属加工技術を生かし、「NORA HOLIC(ノラ ホリック)」を展開している。ソロキャンパーを意識したテーブルは六角形のフレームが特徴で、上部にライトなどをつるしたり、天板を取り外して薪置きとして使ったりと汎用[はんよう]性がある。アウトドア好きの社員が開発を担当している。
 沢根巨樹社長は「ネット通販が主な販路だが、今後は地元のアウトドアのイベントなどにも出展し、浜松や周辺地域の方にファンとなっていただけるようなブランドを目指したい」と意欲を燃やす。

加工技術 開発に応用
 静岡県内には、このほかにも多くのガレージブランドがあり、個性を競い合っている。いずれも自社の高い加工技術などを応用し、製品開発につなげている。
 小林工業(富士宮市)は、「ANCAM(アナキャン)」のブランド名で湾曲した複数のプレートを組み合わせたたき火台などを展開している。細幅織物メーカーの本橋テープ(吉田町)は、テント内などで小物類を多数つるせる丈夫な輪付きのテープ「タフフック」を販売。ナイトー工業(浜松市中区)は、持ち運びに便利な小型のロケットストーブ「てんぐの小太鼓」を発売し、ソロキャンパーらの好評を得ている。

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