倉庫吹き飛び 車横転 静岡県西部「雨風ものすごい音」
大気の状態が不安定になった影響で、掛川市南部地域など県西部で4日、突風被害が相次いだ。猛烈な風雨で視界が奪われ、ごう音が響いた。「雲が黒くなり、雨と風とひょうが降ってきた。ものすごい音だった」。住民らは一様に表情をこわばらせた。
同市国包では、民家敷地内の木造倉庫がフェンスを乗り越え、市道の反対側まで飛ばされた。倉庫がぶつかったとみられる街路灯は曲がり、付近の電線にはシートのような飛来物がぶら下がっていた。
周辺では深夜まで電線の復旧作業が続いた。住人の女性(73)は「風雨の音がすごくて、倉庫が飛ばされたことには気づかなかった。外を見たら倉庫がなくなっていた」と振り返った。
近隣の矢崎部品大浜工場では、敷地内のトラックが倒れて食堂のガラスが割れた。工場の男性社員(55)は「天井が壊れて水浸し。外に出てみたら電線が切れていたり、小屋が飛んだりしていて驚いた」と話した。付近に住む女性(79)は「家の木も揺れて怖かった。50年暮らしていて初めて」と口にした。
大型トレーラーが横転した同市千浜の市道では、掛川署員が慌ただしく交通規制を行った。掛川署によると、男性運転手(35)が激しい風雨で危険を感じたため停車していたところ、強い風にあおられて運転席側を下に横転したとみられる。帰宅時間帯と重なり、現場付近は一時、渋滞した。
掛川市危機管理課によると、同市南部地域で屋根瓦が飛ばされたり、窓ガラスが破損したりする被害の情報が寄せられている。おおさかこども園(同市大坂)付近では、車の横転もあった。菊川市でも、小笠北小の体育館の扉が飛ばされる被害があった。