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テーマ : 菊川市

静岡県ChaOIファクトリー、新設備稼働 茶の新商品開発後押し

茶の実油、フレーバーティーなど加工  再整備が進む県農林技術研究所茶業研究センター(菊川市)で今月、新商品開発研究施設「ChaOI(チャオイ)ファクトリー」の食品加工設備が稼働した。事業者に茶の実油やフレーバーティーなどの試作用機械を貸し出し、茶の魅力を多面的に引き出す企画の実現を後押しする。

茶と乾燥イチゴの配合作業を行う関係者=11日午前、菊川市
茶と乾燥イチゴの配合作業を行う関係者=11日午前、菊川市

 同センターは戦前から続く茶業試験場の流れを引き継ぎ、静岡茶の普及や改良、新品種の研究を手がける。施設老朽化への対応や研究機能強化に向けて2022年度、工事に着手した。改修したファクトリーは紅茶・ウーロン茶の製造技術を学んだり、ブレンド茶や茶の実油を試作できたりする設備を備える。
 新設備で11日、茶生産法人の美緑園(菊川市)が茶とイチゴを配合してティーバッグ原料を試作した。乾燥イチゴを細かくし、かき混ぜる工程を見守った土井宏通代表は「ドライフルーツを用いた事業を検討している。専門家の助言を今後の商品開発に生かしたい」と話した。
 ファクトリー開設には、消費者の嗜好(しこう)が多様化する中で、高い付加価値を備えた商品作りが求められているという背景がある。段階的に茶の濃縮液や粉末を製造するための装置も導入し、有料で貸し出す予定。
 県は同センター再整備事業で敷地内の茶畑を大区画化し、スマート農業技術や有機栽培の研究も進めている。25年1月には新築の本館(研究棟)を整え、遺伝子や機能性成分の分析に基づく商品開発を展開する考えで、小林栄人センター長は「茶の需要拡大に向けて施設活用を促し、茶業界内外との連携を深めたい」と話す。
 (経済部・平野慧)

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