首都圏企業 静岡県内に誘致 都内で県が拠点開設セミナー
首都圏の企業に本県への進出を促す県主催の「拠点開設セミナー」が1日、都内で開かれた。情報通信や経営コンサルティングなどの約60社がオンラインも含めて参加した。県と13市町の担当者が進出費用の補助制度、地域産業の現状、交通利便性をアピールし、サテライトオフィスや支店の設置を呼び掛けた。
県総合政策課の渡辺洋介フロンティア推進室長は、人口減少対策の観点から「若者に魅力のある企業の進出支援に特に力を入れている」と強調。県内企業や大学と連携し、進出後の人材確保、ビジネスマッチングなどの面でも手厚くサポートすると売り込んだ。
実際に県内に進出した事業者と県内のコワーキングスペース運営者によるパネル討論もあった。約2年前に静岡市にサテライトスタジオを開設した都内のアニメ制作会社「シャフト」の久保田光俊社長(菊川市出身)は、オンラインやテレワークの進展といった新型コロナ禍に伴う働き方の変化を一つの理由に挙げた。地元で採用した人材には長く働き、キャリアアップしてもらうことを期待していると説明。採用活動に当たっては「学校の紹介など自治体がフットワーク良く協力してくれた」と振り返った。
各市町はブースを並べて個別の相談にも応じた。県によると、初めての開催となった昨年はセミナーをきっかけに5社の県内進出が実現したという。
(東京支社・関本豪)