茶の海外輸出へ協定 菊川市と佐川急便
菊川市は14日、菊川茶の海外輸出を推進するため物流大手の佐川急便と連携することを明らかにした。同社は専用サイトを介して菊川茶と海外バイヤーとの接点をつくり、配送網を生かした輸送を行う。同社が自治体と海外輸送に取り組むのは全国で初めて。2024年度から開始する予定。
同社は菊川茶の専用サイトへの出展、翻訳、商談支援、輸送などを支援する。190カ国以上に会員のバイヤーがいるネット販売サイト「アリババ」内に菊川茶の専用ページを作成し、海外バイヤーに紹介する。
市によると菊川茶の海外進出はこれまで、茶商が独自にネット販売したり社員を常駐させたりすることにとどまっていた。市内では荒廃茶園が広がり後継者不足が問題になるなか、海外需要拡大の方策を模索していた。需要の傾向を把握し出口戦略にもつなげる。市内の茶商や生産者には説明会を開き、周知を図る。
同日、菊川市役所で行われた連携協定の締結式で、森裕一郎執行役員は「認知度向上と地域の活性化に貢献していく」と述べた。また、同社は菊川市を選んだ理由に「市としての熱意」を挙げた。長谷川寛彦市長は「成功事例として横展開していければと思う。輸出が切り札になる」と期待した。