掛川、菊川で突風被害60件 住宅や公共施設が損壊、工場クレーン横倒し
掛川市など県西部で4日夕に発生した突風で、同市内では5日、ゴルフ練習場の支柱が折れたり、住宅の屋根瓦が飛散したりするなど、新たな被害が確認された。菊川市でも大型クレーンが倒れるなどの被害があった。両市が把握した住宅や公共施設、道路などの被害は計約60件に上る。静岡地方気象台は同日、現地調査を行い、突風について積乱雲から強い下降気流が吹き下ろす「ダウンバースト」か、冷気が地上付近の暖かい空気と接して生じる「ガストフロント」の可能性が高いと発表した。
突風で発生した主な被害
掛川市によると、大型トレーラーの横転や歩行中の転倒で3人が軽傷を負ったほか、市南部地域を中心に住宅屋根の損壊など16件の建物被害を確認した。菊川市は住宅被害6件、国指定重要文化財黒田家住宅長屋門の一部損壊など公共施設被害4件を確認している。御前崎市内では太陽光発電のパネルが飛ばされた。
掛川市満水のゴルフ練習場「掛川ゴルフガーデン」では、鉄とコンクリートでできた高さ約40メートルの支柱9本が折れた。新貝守正副支配人(67)は「一気に突風がきて練習場が真っ白で見えなくなった。東からの風はあまりない」と話した。
コンクリート製品製造の安藤ハザマ興業菊川工場(菊川市嶺田)では敷地内の移動式大型クレーンが倒れた。同社によると、倒れたのは4日午後5時ごろで、当時は作業を終えていて稼働していなかった。けが人はいないという。
同気象台によると、突風は4日午後5時ごろに発生した。突風の強さに関する調査結果は6日に公表するとしている。