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テーマ : 菊川市

早めの新茶期 準備万端 静岡県内生産本格化、消費拡大図る

 今シーズンの静岡県内産一番茶の生産が本格化する。新芽の生育は順調に進み、静岡茶市場(静岡市葵区)は開設以来最も早い日取りとなる13日に初取引式典を開くなど、新茶商戦のムードが高まっている。新型コロナウイルス禍から社会経済活動が正常化へ向かう中、茶業者はイベント出店や販促活動を通じて消費拡大を図る。

茶園での摘み取り作業。新芽の生育が順調に進んでいる=4月上旬、静岡市駿河区(写真部・小糸恵介)
茶園での摘み取り作業。新芽の生育が順調に進んでいる=4月上旬、静岡市駿河区(写真部・小糸恵介)

 静岡茶市場で6日、わせ品種「摩利支(まりし)」の生葉を1次加工した荒茶が取引された。前年より7日ほど早く摘採した茶は、色つやともに優れて、好評だった。栽培した同区内牧の森内吉男さんは「十分に雨が降ってくれて、きれいに育った」と話した。
 県農林技術研究所茶業研究センター(菊川市)によると、調査用茶園で7割が芽生えた状態を指す萌芽(ほうが)期は、平年より5日早い3月31日だった。2月下旬以降の気温が高く推移し、適度な降水量が芽伸びを促した。
 県内各JAの調査でも、新芽の生育は例年より2~5日ほど早いペースで進んでいる。お茶が最もおいしくなるとされる、5月2日の八十八夜前に生産のピークを迎える茶園は多くなるとみられる。
 茶農家が懸念するのは凍霜害だ。県内では2010年などに寒波に起因する凍霜害が発生し、新茶摘み取り前の茶園に打撃をもたらした例がある。県お茶振興課の担当者は「生育が進んだ新芽は低温への耐性が弱い傾向がある」として、防霜ファンの点検など寒さ対策の重要性を説く。
 農家が作るお茶を製品化する製茶問屋や、茶専門店は新茶売り出しに向けた準備を進めている。問屋などでつくる静岡茶商工業協同組合(市茶商)は、コロナ禍からの復調を期して5月の大型連休中のイベント出店などを計画する。企画担当の大塚喜美江さんは「人出が増える中で、茶の魅力を効果的にアピールしたい」と話す。

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