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演劇に関わる人 増やしたい 「アートひかり」仲田恭子

 藤枝市の蓮華寺池公園や周辺の施設、商店街を活用した「藤枝ノ演劇祭」が3月2、3の両日、開かれる。今年で3回目。2022年の初開催から連続参加する演劇ユニット「アートひかり」の仲田恭子代表(同市出身)は「演劇祭を通じて、演劇に関わる人が増えてほしい」と願いを込める。

2000年代後半に藤枝市で行われた「志太お茶の香演劇祭」の運営に携わった仲田恭子。「同じ地区の演劇祭に“やる側”として参加できることがうれしい」=島田市
2000年代後半に藤枝市で行われた「志太お茶の香演劇祭」の運営に携わった仲田恭子。「同じ地区の演劇祭に“やる側”として参加できることがうれしい」=島田市

 アートひかりは今回の演目に、オーストリアの劇作家ペーター・トゥリーニの代表作「ねずみ狩り」を選んだ。演出を担当した仲田は「現代社会や文明を批判する内容で1971年の初演時は賛否が分かれたが、今では教科書にも載っている。戯曲の力が普遍的だったのだろう」と紹介する。
 都会のごみ捨て場に現れた男女。「全てはごみだ」とする男は銃でネズミを狙い、やがて2人は自分たちの装飾品も捨て始める―。昨年4月に制作した会話劇で、これまでに東京、大阪、長野の各都府県で上演した。「シンプルな設定に、演劇ならではの表現が詰まった作品。俳優2人の掛け合いが見どころ」と仲田は話す。
 昨年夏に大阪から島田市伊久美に拠点を移したアートひかり。11月には同地区のビール醸造所を会場にして、幕末から明治時代にかけての地元の茶産業の発展を大河ドラマのような仕立てで演じた。昨年の藤枝ノ演劇祭では地元の文学者小川国夫の作品を取り上げた。地域と演劇の結びつきを意識した活動が続く。
 「社会に開かれた演劇祭がずっと続けば、“見る人”だけでなく“やる人”も増える。舞台に立って体を動かし、声を出す楽しさを多くの人に知ってもらいたい」
 (教育文化部・橋爪充)
3月2、3日「藤枝ノ演劇祭」  「藤枝ノ演劇祭」は藤枝市の蓮華寺池公園と周辺で8演目を行うほか、アーティストトークなども実施する。「ねずみ狩り」は旧茶工場の「ひとことカフェ」が会場で、2日午後3時、3日午後2時半開演。大慶寺では両日、演劇祭ディレクターの山田裕幸が演出する俳優たきいみき独演の「刺青」を、市生涯学習センターでは「スタンダップコメディ」の清水宏の公演(3日)などを行う。入場料や観覧申し込みなど詳細は同演劇祭公式サイトを参照。

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