テーマ : 芸能・音楽・舞台

「はて?」から広がる 大きな夢 「虎に翼」主演・伊藤沙莉

 もし自分の人生を映画化するとしたら、絶対に外せない期間になる-。NHK連続テレビ小説「虎に翼」(総合・月~金曜午前8時ほか)に主演する伊藤沙莉[さいり]は、「確実に代表作になる」と手応えを感じながら日々の撮影に臨んでいる。

「いろいろな人の人生が入り交じり、その一人一人に丁寧にフォーカスを当てているのが物語のすてきな部分」と語った伊藤沙莉=東京都渋谷区
「いろいろな人の人生が入り交じり、その一人一人に丁寧にフォーカスを当てているのが物語のすてきな部分」と語った伊藤沙莉=東京都渋谷区

 日本初の女性弁護士で後に裁判官にもなった三淵嘉子(1914~84年)をモデルに、困難な時代に道を切り開いていった一人の法曹と仲間たちの姿を描く物語。
 冒頭、東京の女学校に通う猪爪寅子[ともこ](伊藤)は、父(岡部たかし)と母(石田ゆり子)から次々に見合いを勧められるも気乗りがしない。「女の幸せは結婚」「良き母、良き妻になるのが女の務め」といった考えに出合うたび「はて?」と立ち止まり、やがて法律家としての大きな夢が膨らんでいく。
 「寅子は疑問が浮かぶ人。『なぜ?』と思う人でないと何かを変えられない。きっと持って生まれた人だと思います」
 寅子を演じるに当たって大学で法律の講義を受け、「何事にも成り立ちがある」と改めて気付かされたという。「私たちが守られている法律の成立に至るまでにも大変な時代があって、闘った人がいる。その歴史はすごいことだと思いますし、そういう人がいて今、平和に過ごしていることへの感謝を感じました」
 朝ドラ出演は、2017年の「ひよっこ」で米屋の娘を演じて以来。ヒロイン役の今回は出演時間も撮影期間も長くなるため、前後のつながりや先の展開も考え「ぶれないよう、別人にならないよう思考を働かせるのは初めての経験」と苦労を語る。「人との関わり方、ものの伝え方も学び、人間的にも成長している気がする。生涯でいろいろなお仕事をやらせてもらうとしても、トップで大事な作品になると思います」

いい茶0

芸能・音楽・舞台の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞