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落語協会100周年率いる林家正蔵 「真剣にばかばかしく」

 2月に誕生から100年を迎えた落語協会。3月から1年にわたり、記念興行や記念グッズ販売など、節目ならではの企画が続く。百年実行委員長を務める林家正蔵は「面倒くさいことから遠ざかっていたいのに」とぼやきながら「真剣にばかばかしいことを考えている。たまんないね」と客を喜ばせようと一大事業に汗をかく。

「いろんな落語家を聞いてほしい。お金持ちがいたら『寄席建てない?』って聞いといて」と話す林家正蔵
「いろんな落語家を聞いてほしい。お金持ちがいたら『寄席建てない?』って聞いといて」と話す林家正蔵


 協会によると、1924年2月25日、東京・上野で前身の団体の発会式があったとされる。2022年に立ち上がった実行委で、正蔵は他薦で委員長に。「断れないんだよ。落語の稽古をしていたいのに」と愚痴る。
 一方、20代からベテランまでざっくばらんに意見を出す実行委の活動は充実している様子。「個人商売だけど、方向性が決まればまとまった。力強かった」と話す。都内の寄席では、「百年目」のネタ前半と後半を別の落語家が演じるリレー口演や落語家がリクエストに応じてネタを披露するといった興行が続々と行われる。
 風通しがいい分、会議では“くだらない話”も多く、数字の入った落語家の名前を1年限定で全員“百”の字に変えるという案が出たことも。もちろん実現はしない。
 落語について「おばかさんの話ばかり。教養が身に付くことは何一つ言わない」と自虐的に語る。次の100年の展望を聞けば「明日どうなるかも分からない。その日のお客さまにベストのものを聞いてもらえるようにするだけ」と笑う。
 寄席には有名、無名さまざまな芸人が日々出演している。「落語を知らないので勉強したいんですって言う人がいるんだけど、ぶらっと来ると面白いよ。お薦めは土日の天気の良い日!」。この機会に多くの人に足を運んでもらいたいと願う。

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