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富士ジュニアオーケストラ 20日に最後の定演 音色一つに活動15年

 富士市などの児童生徒でつくる「富士ジュニアオーケストラ」(茅原初子代表)が、20日の定期演奏会で15年にわたる活動に幕を下ろす。民営の楽団として青少年育成に力を注いだが、運営面などの負担から継続が難しくなっていた。茅原代表は「文化の発信や演奏力向上などの成果を残してきた。多くの人に聴いてほしい」と来場を呼び掛けている。

最後の定期演奏会に向けて音色を合わせる富士ジュニアオーケストラの団員=富士市内
最後の定期演奏会に向けて音色を合わせる富士ジュニアオーケストラの団員=富士市内


 楽団は2007年に結成。最盛期は60人ほどが所属し、ボランティアの事務局員や保護者らが日々の練習や公演を支えた。東京五輪・パラリンピックの関連イベントでは、市内で事前キャンプを予定していた国の楽曲を演奏するなど地域の文化振興にも一役買ってきた。
 一方で、活動費や運営面での負担は関係者で補い合う状況が続いた。継続を求める声も上がったが、茅原代表は「運営側の高齢化が進み、引き継ぐ人たちもまだ育っていない。公営化も難しいと判断した」と区切りを決めた。
 現在の団員は小学4年から高校3年の41人。今回の演奏会にはOB・OGや団員の母親らも含め87人が出演する。県学生音楽コンクール管楽部門で優勝経験のあるトランペット奏者の榛葉隆仁さんがゲストとして参加する。
 富士南中2年の木村圭さん(バイオリン)は「きれいなハーモニーと迫力の音がこのオーケストラの持ち味。ベストを尽くしたい」と意気込む。富士高2年の工藤薫さん(同)は「演奏だけでなく多くのことを学んできた場所。活動を引き継ぐような動きがあるとうれしい」と終了を惜しむ。
 定期演奏会はロゼシアター大ホールで午後4時開演。エルガー「威風堂々」、アニメ映画「ハウルの動く城」の楽曲などを予定。入場無料。鑑賞希望者は直接会場へ。
 (富士支局・宮城徹)

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