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作曲家響き合う個性 ピアニスト今田篤(掛川) シューマン軸に演奏会 浜松で18日

 浜松国際ピアノコンクール4位などの実績を持つピアニスト今田篤(掛川市)が18日、浜松市中区のアクトシティ浜松音楽工房ホールで海の日リサイタルを開く。長く取り組むシューマンを軸に、他の作曲家との関わりに目を向ける構成。「多くの巨匠と向き合うことがシューマンを深めるヒントになる」と意気込む。

アクトシティ浜松でピアノリサイタルを予定する今田篤。シューマンをはじめ多くの作曲家を取り上げる=掛川市
アクトシティ浜松でピアノリサイタルを予定する今田篤。シューマンをはじめ多くの作曲家を取り上げる=掛川市

 シューマンには、昨年リリースした初アルバムで大作に挑むなど特別な敬意を抱く。今回のリサイタルは21の小品からなる「謝肉祭」の演奏がメイン。「多面性がはっきり出ている曲群を通じて、シューマンだから書けた心の移ろいを伝えたい」
 二つの人格を行き来するともいわれるシューマンの楽曲は「ピアノという演劇を見ているような作り方に引き込まれる。キャラクターに入りやすく、自分自身が自由になれる作曲家だと感じる」。演奏中は表現している今を忘れるほど夢中になる。
 シューマンへの理解を深めるために今田が取り上げる作曲家は4人。当時、既に多くの作品を残していたバッハとモーツァルトは重く悲しく、同年生まれのショパンの曲は優しく甘美に演奏する。一方、今年生誕150年のスクリャービンは、神秘的な音色にシューマンからの影響が感じられるという。「作曲家たちの個性を引き出すことが演奏家の仕事。リサイタルが一つの作品としてつながるように」との視点で選曲した。
 6月には、浜松国際ピアノコンクールをモデルにした恩田陸さんの直木賞小説「蜜蜂と遠雷」の朗読コンサートに出演した。「ベストセラーの力を借りて、クラシックをもっと知りたいと思ってもらえたらうれしい」。専門性を追求しながら、新しい音楽ファンに向けるまなざしは優しい。
 東京芸術大の非常勤講師として、学生を相手にエネルギッシュに動き回る毎日。リサイタルの海の日は「毎年この日に開催して、ホールから生気を届ける場にしていきたい」と腕をまくる。
 海の日リサイタルは午後2時開演。チケットは一般3千円、学生1500円。問い合わせは事務局<電090(4445)5868>へ。

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