空自浜松周辺のPFAS問題 浜田防衛相「基地に市との連携指示」
浜松市の航空自衛隊浜松基地周辺の川から発がん性などが指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が国の暫定指針値を大幅に上回って検出された問題で、同市の中野祐介市長は4日、防衛省に浜田靖一防衛相を訪ね、基地内での調査の協力を要望した。浜田氏は浜松基地に対し、具体的な調査方法や実施時期の調整について「市とよく連携するよう指示している」と応じた。
中野市長は「住民の不安払拭のため、早急に原因究明を進めたい」と訴えた。浜田氏は「地域住民が不安を抱いていることは、防衛省としてもしっかり受け止めている」と述べた。
中野市長は環境省で西村明宏環境相とも会い、PFASの環境モニタリングの強化、人体に及ぼす影響の調査研究の加速を求めた。西村氏は、PFASの総合戦略検討専門家会議を設置していることを踏まえ「国民への分かりやすい情報発信を通じて、安心・安全を担保するための取り組みを進めている」と説明した。
今後は市への技術的な助言にも努めていく意向を伝えた。両大臣との面会には自民党の塩谷立氏(衆院比例東海)が同席した。
中野市長は取材に、浜松基地が既に文書で実施方針を回答している井戸の水質検査は「8月末に入札、公告があったと聞いている」と明かし、「それ以外の調査内容、箇所を早急に調整する」と語った。速やかな取り掛かりを重視し、市が調査主体となることに必ずしもこだわらないとした。
現段階では住民の健康被害の調査などは考えていないとする一方、「不安に思われているのは間違いないので、まずは原因をはっきりさせ、対策を示していく」と強調した。