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テーマ : 事件事故しずおか

安倍派「裏金」5億円疑い 岸田派でも過少記載か 特捜部聴取 数十人規模に

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で、安倍派(清和政策研究会)が最近5年間で所属議員に還流した総額は5億円ほどに上る可能性があることが12日、関係者への取材で分かった。派閥側が議員側に現金で手渡しし、政治資金収支報告書に記載する必要はないと説明していた。岸田派(宏池会)が開催したパーティーで、実際に集めた収入より収支報告書に記載した金額が計数千万円少なかった疑いがあることも判明。東京地検特捜部も把握し、慎重に調べている。

政治資金パーティー疑惑の構図
政治資金パーティー疑惑の構図

 特捜部は国会閉会後、裏金疑惑の捜査を本格化し、還流を受けた安倍派議員らから任意で事情聴取する見通し。数十人規模になるとみられる。
 首相は12日、岸田派の収支報告書に関し「修正すべき箇所があれば適切に対応するよう指示した」と官邸で記者団に述べた。7日に派閥を離脱するまで岸田派会長を務めていた。同派関係者は過少記載の疑いについて事務的なミスとの見方を示した。
 安倍派の大野泰正参院議員(岐阜選挙区)側が5千万円超、池田佳隆衆院議員(比例東海)と谷川弥一衆院議員(長崎3区)の各議員側が4千万円超を受領していたとみられることも分かった。特捜部は組織的に裏金がつくられていたとみて、政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで捜査。還流システムを運用していたとされる事務方の刑事責任が追及されるのは必至だ。議員側の関与の有無も焦点となる。
 還流分は事務方が議員側に手渡しし、受領を示す書面を書かせていたという。その際、使途の公表が不要とされる「政策活動費」だと説明。「自由に使っていい」と伝えていたとみられる。
 特捜部は今後、派内の実務を取り仕切る事務総長経験者を聴取し、報告内容などを確認する見通しだ。不記載罪などの時効は5年。時効にかからない期間の事務総長は、下村博文元文部科学相、松野氏、西村康稔経済産業相が務め、昨年8月から高木毅国対委員長が担っている。
 安倍派では、議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分について、派閥側の収支報告書の収入に記載しないまま議員側に還流。支出にも記載せず、受領した議員側も収支報告書の収入として記載していなかった疑いがあり、長年の慣行だったとされる。

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