あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 事件事故しずおか

サイバー対処能力強化へ 「警視庁協働捜査班」拡充

 深刻な被害が続くサイバー犯罪への対処能力を高めるため、警察庁は4月から46道府県警の捜査員46人を警視庁に集め、プロバイダーなど関係先が集中する首都圏での捜査に当たらせることが15日、警察庁への取材で分かった。2022年に警視庁に「警視庁協働捜査班」が設置されており、規模と捜査対象を拡充する。
 インターネットバンキングの不正送金事件の被害が23年、過去最多の87億3千万円に上るなどサイバー犯罪は危機的な情勢だ。特殊詐欺とともに対策は警察の最重要課題となっている。
 同捜査班は捜査の効率化のため、22年4月のサイバー警察局の設置とともに警視庁サイバー犯罪対策課内に発足。これまでは25道府県から派遣された28人と警視庁の捜査員で構成していた。
 ①ネット上の違法・有害情報を監視する民間団体「インターネット・ホットラインセンター」(IHC)が通報する違法情報の発信元特定などの初動捜査②全国から捜査嘱託を受け、ネットバンキング不正送金事件など一部のサイバー犯罪についてプロバイダーや金融機関を対象にした捜査-の2項目を対象とした。
静岡県内 不正送金被害額 最多  2023年に静岡県内で発生した「不正送金」による被害件数は前年比85件増の114件、被害額は同1億8195万円増の2億830万円といずれも急増し、過去最多になった。県警がサイバー犯罪で摘発したのは同37件減の282件だったが、そのうちコンピューターウイルスなど高度なネット技術を駆使した悪質な手口の摘発件数は増加した。
 フィッシング詐欺をはじめ、クレジットカード情報を悪用した不正送金の被害額は、全国でも過去最多を記録した。送金方法に暗号資産を使う手口が増えているのが特徴で、被害額の大半が、暗号資産の交換業者をうたう金融機関口座などに不正送金されたという。
 身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」の県内被害は前年と同じ2件で、いずれも企業が被害に遭った。
 摘発件数のうち、「不正アクセス」は前年比6件増の15件、「コンピューター・電磁的記録等対象犯罪」は3件増の8件だった。
 県警サイバー犯罪対策課の小高義久次席は「引き続き巧妙化する手口への対処能力向上を図る」と強調。県民のサイバーセキュリティー意識の加速に向け、「メールや偽サイトなど誰でもアプローチできる場所から誘導される手口が共通点。『サイトにアクセスしない』『口座は教えない』などの対策情報をあらゆる手段を駆使し、積極的に広報していきたい」と話した。

▶ 追っかけ通知メールを受信する

事件事故しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む