沼津死亡ひき逃げ 事故直前の防犯カメラ映像に容疑者の車 トラック使い実況見分も
沼津市松長の県道で親子２人が死亡したひき逃げ事件で、自動車運転処罰法違反（過失致死）と道交法違反（ひき逃げ）の疑いで逮捕された同市大塚の容疑者（８５）が運転するトラックが事故直前、現場手前の防犯カメラに映っていたことが３０日、捜査関係者への取材で分かった。沼津署は同日、容疑者立ち会いの下、事故を起こしたトラックを使った実況見分を実施した。
見分を行ったのは、事故現場から約１キロ西側にある防犯カメラが設置されていた同市今沢の交差点。トラック積載部の助手席側の扉上部にある四つの金具のうち、二つが壊れていた。署員らは防犯カメラの映像を確認しながら、扉が開く角度や金具の緩み具合、路側帯までの距離を測った。容疑者はおぼつかない足取りで運転席に座り、捜査員の質問に答えていた。
容疑者の逮捕容疑は１５日早朝、同県道でトラックを運転中、路上にいた近所に住む男性（３３）とその母親（５９）に衝突してけがを負わせ、そのまま逃走した疑い。２人は搬送先の病院で死亡が確認された。
複数の関係者が、事故前からトラックの扉が完全に閉まらない状態だったことを目撃している。事故当時、開いたままの扉が男性の背後から強い衝撃でぶつかったとみられる。容疑者は鮮魚販売業で、仕入れのため沼津港に向かう途中だった。捜査関係者によると、「電柱にぶつかったと思った。人とは思わなかった」と容疑を否認しているという。
