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テーマ : 事件事故しずおか

横領容疑の2人、別法人も運営 不正送金の振込先として活用? 静岡清水区

 静岡市清水区の社会福祉法人「誠心会」の資金1500万円を不正送金して着服したとして、清水署と県警捜査2課に業務上横領の疑いで逮捕された誠心会前理事長で団体役員の男(43)=埼玉県新座市=と団体職員の男(52)=東京都中央区=が、誠心会の他にも東海地方の別の社会福祉法人の運営に携わっていたことが23日、関係者への取材で分かった。2人が複数の法人名義を不正送金の振込先口座などとして活用するためだった可能性もある。県警は2人の具体的な役割に加え、複数の法人運営に関与した経緯や動機も調べ、全容解明につなげる。
 複数の関係者によると、団体役員の男は2022年2月にこの法人の理事長職に就いた。同年10月から誠心会の理事長と兼務していたことになる。団体職員の男は、団体役員の男より数年早く東海地方のこの法人運営に関わっていたとみられる。団体職員の男が団体役員の男に、経営や金銭に関する指示をしている姿は頻繁に確認されていたという。
 一方、団体役員の男が今年3月に誠心会理事長職の辞任を申し出た際、理由について「役所などに重複を問題視された」と説明したとされる。重複の事実に気付いた東海地方の法人関係者も本人らに指摘していたという。この時期には既に静岡市の監査が入り、多額の使途不明金が発覚していた。誠心会の理事長職に就いてからわずか5カ月余りで突如辞任したのは、不正行為の追及などから免れるためだった可能性がある。
 関係者によると、団体役員の男は今月まで東海地方の法人については理事長を続けてきたが、今回の逮捕を受けて解任されたという。
 2人の逮捕容疑は共謀して22年10月26日、都内の金融機関で、誠心会の法人名義の口座から、金田容疑者が実質経営する会社を振込名義人にして同法人の1500万円を、同法人とは無関係で2人と関係のある会社に送金して横領した疑い。

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