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テーマ : 事件事故しずおか

特捜検事取り調べ不適正 供述誘導疑惑 最高検が調査「組織的指示なし」

 2019年参院選広島選挙区の河井克行元法相(60)の買収事件を巡り、元広島市議が東京地検特捜部検事に不起訴を示唆され供述を誘導されたと主張した問題で、最高検監察指導部は25日、取り調べは不適正だったとの調査結果を公表した。不起訴の約束はなかったが、期待させる発言があったことは否定しがたいと判断。不起訴を約束する組織的な指示はなかったと認定した。=関連記事3面へ
 元法相の裁判に向けた「証人テスト」を担当した別の検事のやりとりに関し「証人尋問の公正さに疑念を生じさせるもので、より慎重な配慮が必要だった」とした。
 供述誘導を訴えていたのは、元法相から現金30万円を受け取ったとして公選法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議木戸経康被告(68)=一審有罪判決、控訴中。20、21年に行われた任意聴取や証人テストのやりとりを録音しており、不起訴を約束した違法な捜査だと主張していた。
 調査結果では、木戸被告は有罪判決が確定すれば議員失職する立場にあり、不起訴処分を強く望んでいたとうかがえると指摘。取り調べ担当検事の「できたら議員を続けていただきたい。そのレールに乗ってもらいたい」「強制とかになりだすとね、今と比べものにならない」といった発言は不起訴を期待させ、否認の場合の強制捜査を示唆したと評価できるとした。
 捜査幹部は調査に対し不起訴の約束をするような指示はしていないと述べ、現場の検事らも指示はなかったと説明した、としている。
 証人テストは約4カ月間に12回実施。客観的事実よりも、弁護人の反対尋問にどう対応するかを重視したような言動があった。証人尋問のため被告が作成したメモについて、検事から「裁判になった時、カンペを作ったことはおおっぴらにしないように」との発言もあったが、いずれも不適正ではないと結論付けた。2人の検事は指導を受け、深く反省しているという。

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