男性死亡の浜名湖車転落事件 殺人容疑で運転者を逮捕 浜松西署
浜松市西区村櫛町の浜名湖内山海岸で１０月２１日夜に乗用車が湖に転落し、近くで愛知県新城市日吉百田の男性（５２）の遺体が見つかった事件で、浜松西署などは５日、殺人容疑で、この車を運転していた新城市日吉黒淵、無職の男（５３）を逮捕した。捜査関係者によると、２人には金銭トラブルがあったとみられ、動機や経緯を調べている。
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逮捕容疑は１０月２１日、車を浜名湖に転落させた後、男性を助手席から引きずり出して放置し、溺死させた疑い。男は容疑を認めているという。同署によると、車は湖にタイヤが漬かる程度だった。亡くなった男性は足が不自由で、普段からつえを使用していたという。
男は１０月２２日午前に現場から４キロほど離れた湖岸で釣り人に救助を求めたとされる。両足を負傷していたため、救急搬送された。肺に水が入っていたという。
関係者によると、男は亡くなった男性に借金をしていた。車を湖に転落させる前に、男性に殴るなどの暴行を加えていた可能性もあるとみられている。
男は当初、任意の事情聴取に「運転操作を誤った」などと説明していたが、その後、殺害を認めたという。静岡県警は事件、事故の両面で捜査を進めていたが、現場の状況などから男に殺意があったと判断し、殺人容疑での立件に踏み切った。
静岡県警は５日午前、新城市内の容疑者の男の自宅で家宅捜索を行い、証拠品を押収した。 「大の仲良し」に何が ２人が住む集落 戸惑い 愛知・新城 浜名湖の内山海岸で発生した殺人事件。亡くなった男性（５２）と、運転していた男（５３）は、２人の住む愛知県内の小さな山あいの集落では「大の仲良し」として知られる間柄だった。「２人の間に一体何があったのか」―。住民から戸惑いの声が上がった。
「お互いあだ名で呼び合い、常に一緒にいた」。そう語るのは知人の４０代男性。男性によると、２人は２０年来の付き合いで、事件当日も祭りの慰労会の買い出しに行く予定と聞いていたという。亡くなった男性の親族の７０代女性は、足が不自由な男性を積極的に連れ出す容疑者の男の姿が印象に残っているという。それだけに突然の逮捕の一報に「とても仲が良さそうだったので信じられない」と動揺を隠さない。
一方で、亡くなった男性が運転し、容疑者の男を飲酒の席に送迎している光景を度々目にしていたという近所の男性（７９）は「（亡くなった男性を）都合よく使っていたようにも見えた」といびつな関係性を指摘する。
亡くなった男性と旧知の仲の７０代男性は「当日の行動など不可解な点が多い。一刻も早く真実を明らかにしてほしい」と憤った。
