あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 事件事故しずおか

安倍派・二階派を捜索 裏金事件 東京地検 パー券収入 不記載疑い 議員の関与解明へ

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で、東京地検特捜部は19日、政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで東京都千代田区にある安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)の事務所を家宅捜索した。政権中枢に波及した「政治とカネ」の問題は強制捜査に発展した。両派とも、会計責任者が政治資金収支報告書にパーティー収入などを記載しておらず、特捜部は立件を検討する。議員の関与の有無とともに、不記載に至った背景の全容解明を進める。

自民党安倍派(清和政策研究会)の事務所が入るビルに家宅捜索に向かう東京地検特捜部の係官ら=19日午前9時58分、東京都千代田区
自民党安倍派(清和政策研究会)の事務所が入るビルに家宅捜索に向かう東京地検特捜部の係官ら=19日午前9時58分、東京都千代田区
政治資金パーティー裏金事件の構図
政治資金パーティー裏金事件の構図
自民党安倍派(清和政策研究会)の事務所が入るビルに家宅捜索に向かう東京地検特捜部の係官ら=19日午前9時58分、東京都千代田区
政治資金パーティー裏金事件の構図

 安倍派の裏金は時効がかからない2018~22年の5年間で5億円規模に上る可能性がある。二階派の不記載も億単位に上るとみられる。
 特捜部による派閥への強制捜査は、日本歯科医師連盟(日歯連)から旧橋本派(平成研究会、現茂木派)への1億円献金隠し事件で04年に同派の事務所を捜索して以来、19年ぶりとみられる。
 岸田文雄首相は捜索を受け、官邸で記者団に「党としても強い危機感を持って、国民の信頼回復に努めなければならない」と述べた。
 安倍派も二階派も、議員側がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分を、収支報告書の収入に記載せず議員側に還流。安倍派では支出にも記載せず、受領した議員側も収入として書いていなかった。二階派では還流分は派閥側に支出として、議員側は収入として、それぞれ記載していたという。両派閥の会計責任者はいずれも特捜部の任意聴取に対し、不記載を認めている。
 特捜部は、違法性の高い組織的な裏金づくりを続けてきたとされる安倍派をより問題視しており、受領議員への聴取も進めている。一方、二階派については事務方の関与が大きいとみている。
 安倍派は「捜査に最大限協力し、真摯(しんし)に対応する」とコメント。二階派会長の二階俊博元幹事長も「当局からの要請には真摯に協力し、事案の解決に向けて努力する」とのコメントを出した。
 岸田派(宏池会)でも、どの議員が販売したのか不明なパーティー券代を会計責任者が収入から除外していたとされ、20年までの3年間で2千万円超に上るという。

▶ 追っかけ通知メールを受信する

事件事故しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む