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テーマ : 事件事故しずおか

33人集団食中毒、2人死亡 西伊豆町の特養老人ホーム O157検出

 静岡県は15日、西伊豆町の特別養護老人ホーム「ヒューマンヴィラ伊豆」で調理した給食を食べた利用者と職員計33人が腹痛や下痢、血便などの症状を訴え、うち利用者2人が死亡したと発表した。死者を含む患者10人の便から腸管出血性大腸菌O157が検出され、県は食中毒と断定した。県内でO157感染者の死亡が確認されたのは初めて。

食中毒が発生したヒューマンヴィラ伊豆=15日午後、西伊豆町宇久須
食中毒が発生したヒューマンヴィラ伊豆=15日午後、西伊豆町宇久須

 死亡したのはいずれも西伊豆町の女性(76)と男性(81)。このほか45~103歳の利用者27人と施設職員4人が症状を訴えた。8人が入院中。賀茂保健所は15日、給食を提供した日本ゼネラルフード(名古屋市)に対し、同施設の調理部門の営業禁止を命じた。
 感染経路は不明だが、県は3日の昼食で提供された給食が原因とみている。献立は炊き込みご飯、サバの竜田揚げ、がんもどきの含め煮、そばサラダ、すまし汁、パイナップル。
 6日に利用者2人が発症し、続いて他の利用者や職員の感染が判明した。利用者の女性は11日、男性は15日にそれぞれ死亡した。いずれも死因は不明。現時点で患者は増えていないという。
 ヒューマンヴィラ伊豆の佐藤友康施設長は取材に、「このような事態になり申し訳ない。多くの方が感染し、一日も早い回復を祈っている。高齢者施設にとってO157は最大限警戒しなければならなかった。感染症対策もしていたが、検出された事実を重く受け止めている」と話した。
 O157は3~8日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う下痢や血便を引き起こす。加熱が不十分な肉類や生野菜、果物などが主な原因食品。抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は特に注意が必要とされる。県は手洗いの徹底とともに、食品や調理具を衛生的に扱うよう呼びかけている。

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