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テーマ : 事件事故しずおか

大谷選手通訳 球団が解雇 水原一平氏 違法賭博疑い

 【ロサンゼルス、ソウル共同】米大リーグ、ドジャースは21日、大谷翔平選手(29)の通訳を務めてきた水原一平氏(39)との契約を解除した。複数の米メディアが同氏の解雇を20日付で報じ、球団も事実上認めた。違法賭博への関与が指摘されており、広報は「ドジャースも報道は把握しており、情報を収集している」との声明を出した。=関連記事12面へ

20日の米大リーグ、パドレスとの開幕戦で試合を見つめるドジャースの大谷翔平選手(右)と通訳の水原一平氏。水原氏は21日、事実上の解雇となった=ソウル(共同)
20日の米大リーグ、パドレスとの開幕戦で試合を見つめるドジャースの大谷翔平選手(右)と通訳の水原一平氏。水原氏は21日、事実上の解雇となった=ソウル(共同)

 ロサンゼルス・タイムズ(電子版)によると、違法とされるブックメーカー(賭け屋)との関係が浮上し、告発された。スポーツ専門局ESPNは、捜査対象のブックメーカーに水原氏の借金があり、大谷選手の口座から少なくとも450万ドル(約6億8千万円)が送金されたと報じ、20日の試合後、水原氏は選手らに「ギャンブル依存症」を告白したという。
 大谷はソウルでのパドレスとの開幕第2戦に臨んだ。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はこの問題について「コメントできない」と述べた。
 ESPNの取材に水原氏は「違法だとは知らなかった。野球に賭けたことはない」と述べ、大谷選手が賭博に関与していないことを強調した。当初は大谷選手に昨年、借金の肩代わりを依頼し「(同選手が)自分が同じことをしないよう確認した上で助けてくれた」と答えていたが、その後に撤回したという。大谷選手側の弁護士は「翔平が大規模な窃盗の被害に遭っていることが判明し、当局に問題を引き渡した」との声明を出した。
 水原氏は大谷選手がプロ野球日本ハム入りした2013年から同球団の職員として勤務。18年にエンゼルスに移籍した同選手とともに渡米し、専属通訳となった。大谷選手とともにドジャースに移り、ソウルで行われた20日の今季開幕戦でも通訳を務めていた。
公私でサポート 固い絆  北海道で1984年に生まれた水原氏は米国で育った。カリフォルニア州の高校、大学を卒業。プロ野球日本ハムには大谷選手と同じ2013年に入り、外国人選手の通訳を担当した。18年から大谷選手とともに渡米して専属通訳となり、エンゼルス時代から公私にわたってサポートしてきた。
 球団の首脳陣との橋渡し役や取材対応時の通訳はもちろん、練習ではキャッチボール相手になり、移動の際の運転手も務めた。大谷選手は2月のファン感謝イベントで、水原氏について「ここはビジネスの関係。友達ではないが、割り切って付き合っている」と冗談めかして笑ったが、2人は常に行動をともにし、固い絆を結んでいた。
 (ソウル共同)
韓国でも衝撃広がる  【ソウル共同】水原氏が違法賭博疑惑で契約解除されたというニュースに、ソウルの高尺スカイドームで21日に行われた開幕シリーズ第2戦を訪れたファンの間にも衝撃が広がった。
 かつて水原氏が在籍したプロ野球日本ハムのユニホームを着て観戦した韓国人女性は「大谷さんをずっと支えてきた方だけに寂しい」と声を落とした。現地でも大谷選手の話題で持ちきりだっただけに「韓国でもとても驚かれている」と盛り上がりに水を差すような出来事を残念がった。
 大谷選手のファンで、米国でのキャンプも訪問したという40代の日本人男性は「いつも大谷選手のサポートをされていて、家族以上の関係だったのでは。そんな人ではないと、みんなが思っているはず」と驚きを隠せなかった。
 韓国メディアでは一斉に「裏切り」などと報じられ、ソウル新聞は「スター通訳、二つの顔」と見出しを付けた。

 スポーツベッティング スポーツの試合結果やプレー内容などを予想した賭け。海外は合法化が進んでいる。米国では2018年にスポーツ賭博を禁じていた連邦法が無効となり、合法とする州が増えた。日本では公営ギャンブルやスポーツ振興くじが特別法で認められているが、賭博は刑法で禁じられている。
 (共同)

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