あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 事件事故しずおか

静岡・消防士殉職火災 「リスク教育不十分」 隊員アンケートで指摘 市 組織課題検証完了

 2022年8月に静岡市葵区呉服町の雑居ビル3階から出火し、静岡市消防局駿河特別高度救助隊の男性=当時(37)=が殉職した火災を巡り、市が進める消防局の組織的課題の検証結果の取りまとめが完了したことが27日までに、関係者への取材で分かった。検証の一環で、消防局職員に行ったアンケートで警防活動時のリスクに関して十分な教育が行われていないことなどが浮かび上がったという。同隊が命綱を付けずに濃煙の屋内に進入した理由を「安全意識の欠如」と指摘し、研修や訓練の見直しを求めるなど再発防止策を整理して28日にも公表する方針。
 関係者によると、今回の殉職事故を巡って市としても客観的かつ多角的な視点から原因を分析しようと、市長部局内に原因検証チームを設置した。外部有識者が示した事故調査報告書の検証や消防局職員600人超に対するアンケートなどを進めてきたという。
 アンケートでは、警防活動でのリスクについて十分な教育や訓練がなされていると思うか―との質問に、全体の約4分の1に及ぶ職員が「十分に教育されていない」と回答したとみられる。経験豊富な小隊長クラスに限るとその割合は約半数に上り、特に危機感を抱いていた。殉職事故に伴う懲戒処分でも対象者は現場で隊員の指示に当たった小隊長1人で、基準に反し、命綱を使わない進入を指示したことが処分理由に挙げられていた。アンケートでも安全管理上の課題が浮かび上がったという。
 市は、検証結果を2月に公表予定としていた。

▶ 追っかけ通知メールを受信する

事件事故しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む