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テーマ : 浜松市

16選挙区で無投票か 静岡県議選、総定数の4割26人 現職も心境複雑

 統一地方選の前半戦となる静岡県議選(31日告示、4月9日投開票)は3月6日時点で、全34選挙区のうち半数近い16選挙区で出馬予定者数が定数を上回らず、無投票になる可能性がある。このまま定数を超える数の立候補者がいなければ、4割に当たる26人が投票なしで当選が決まる。有権者の投票機会を奪う無投票に対し、無投票が見込まれる選挙区の現職も「地域の幅広い声が上がることが選挙の役割。無投票を喜べない」(伊豆地域の県議)と不安の声が上がる。

無投票の可能性がある県議選選挙区
無投票の可能性がある県議選選挙区

 無投票が予想されるのは、伊東市(定数1)、熱海市(1)、伊豆の国市(1)、三島市(2)、清水町(1)、裾野市(1)、富士市(4)、富士宮市(2)、藤枝市(3)、牧之原市・吉田町(1)、島田市・川根本町(2)、御前崎市(1)、浜松市西区(2)、同浜北区(2)、同天竜区(1)、湖西市(1)。
 無投票の選挙区数と当選者数は、立候補者が戦後最少の95人だった2007年(33選挙区、定数74)の13選挙区24人を超え、1995年(29選挙区、定数78)の11選挙区27人と同水準になる。
 特に伊豆地域と東部地域(計14選挙区)では、無投票が見込まれる選挙区が半数を超える。7選挙区を擁す浜松市も3選挙区が無投票とみられ、このうち天竜区は05年の市町村合併以降、一度も選挙が行われていない。
 伊豆地域の中堅県議は「新人はコロナ禍で仲間や支援者を開拓する活動がしにくかった」と推察し、「有権者の信任を受けないことは今後の議員活動に影響する」と話す。候補者擁立に奔走した非自民系のベテラン県議は「1強多弱の国政の状況を反映し、自民の現職相手に戦おうとする新人がいない」と漏らす。
 かつて県内屈指の激戦区とされ、前回選から定数が1減った富士市(4)も今回は現職4人のみで、1991年以来32年ぶりに無投票が見込まれる。地元関係者は「ほぼ勢力別に候補者が固定され、新人が入り込む余地がない」とみる。

 勢力拡大狙い与野党攻防
 県議選(定数68)の立候補予定者を政党別でみると、県議会最大会派の自民改革会議(現有議席39)を構成する自民党は、湖西市を除く33選挙区で候補者を擁立した。公認、推薦を合わせ現職37人、新人7人の計44人が準備する。自民対非自民の一騎打ちとなる函南町や長泉町の勝敗や、自民現有議席1の焼津市などで2議席目を確保できるかが勢力拡大の鍵となる。
 野党は、立憲民主党の公認候補は現職2人、新人1人の計3人になる見通し。国民民主党は公認1人のみ。旧民主党系の連合静岡推薦議員らが地域政党として設立した政治団体「新政しずおか」は現時点で、現職9人、新人3人を推薦候補とし、今後2人が追加される見込み。立民や旧国民系と、非自民系の無所属議員らで構成する第2会派ふじのくに県民クラブ(同17)が、引退議員の後任を含め勢力を維持できるかが注目される。
 公明党は現職4人と引退議員の後継となる新人1人を擁立し、全員当選で公明党県議団(同5)の現有議席維持を目指す。
 共産党は現職と元職の計2人が立候補を表明済み。日本維新の会は県議選では初の公認候補を静岡市葵区、駿河区に擁立した。
 

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