浜名湖発「生きる喜び」 がん経験の川中さん 悩み吹き飛ぶ感動体験イベント
浜松市中央区のパーソナルトレーナー川中ちひろさん（４７）が、ＳＵＰ（スタンドアップパドルボード）や食など浜名湖の自然を五感で楽しんでもらうイベントを今春スタートした。シングルマザーとしての子育てやがんを経験する中、浜名湖の雄大な自然に魅せられ２０１９年に静岡市から移住した。「非日常の空間に身をゆだね、生きる喜びを感じてほしい」と語る。
育児中の母親、育児が一段落した４０、５０代向けに、地元水産物を味わったり、気軽に海遊びを体験したりする場を提供する。３月中旬、浜名湖の眺望を間近に楽しめる湖西市新所で開いた初のイベントには、幼児を含む家族連れなど３組が参加した。川中さんや地元の消防士男性の指導でＳＵＰに挑戦した焼津市の女性（５７）は「屋内を離れ、外で自然を感じるのも楽しい。次はＳＵＰヨガを体験できたら」。この日は参加者全員で地場産のワカメやカキを食材にしたスープやパスタに舌鼓を打った。
川中さんは０７年にヨガ講師となり、その後個人や団体向けに心身の改善に向けた運動指導を行ってきた。一方、乳がん発覚で闘病し、あらためて生き方を見直していた１８年、湖西市の仲間に誘われ訪れた浜名湖で早朝の朝日の美しさに心を奪われた。「悩んでいたことが一気に吹き飛んだ。この瞬間や景観を自分の子や多くの人に伝えたいと思った」という。当時高校生だった長男と浜松に移り住み、トレーニングサロンを開設した。
イベントはコロナ禍を経て５年越しで実現した。川中さんは「動くことで心も人生も前向きに変わっていく。少しでも後押しできたら」と話す。今後も定期開催の予定で、日程はサロン「Ｃｈａｎｄｒａ（チャンドラ）」のホームページで随時紹介する。
（浜松総局・山本雅子）
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