テーマ : 福祉(障がい者・子ども)

通園バス乗降時、点呼や確認を 静岡県、置き去り防止マグネットシート配布 835施設に

 牧之原市の認定こども園で昨年9月、園児が通園バス内で置き去りになり死亡した事件を受けて県は29日、子どもが車内に置き去りにされる事案を防ぐため、バスの乗降時の点呼や車内確認を促すマグネットシートをバディ幼稚舎(磐田市見付)に配布した。県は来週末までに、送迎を実施している県内の保育施設計835施設に発送する。

バスのドア付近にマグネットシートを貼り付ける西尾和孝理事長=29日午後、磐田市見付のバディ幼稚舎
バスのドア付近にマグネットシートを貼り付ける西尾和孝理事長=29日午後、磐田市見付のバディ幼稚舎
子どもが車内に置き去りにされる事案を防ぐため、バスの乗降時の点呼や車内確認を促すマグネットシート(左)とステッカー(右)
子どもが車内に置き去りにされる事案を防ぐため、バスの乗降時の点呼や車内確認を促すマグネットシート(左)とステッカー(右)
バスのドア付近にマグネットシートを貼り付ける西尾和孝理事長=29日午後、磐田市見付のバディ幼稚舎
子どもが車内に置き去りにされる事案を防ぐため、バスの乗降時の点呼や車内確認を促すマグネットシート(左)とステッカー(右)

 マグネットシートは、縦29・7センチ、横42センチ。赤色地に大きな文字で「みんなの確認で、こどもの命を守る。」と記されている。送迎に関わる職員をはじめ保護者や地域住民など多くの目に留まるよう、車両側面への掲出を求める。運転席付近に張り出すステッカーも用意した。
 県こども未来課の職員がバディ幼稚舎を訪れ、同園の西尾和孝理事長(67)にマグネットシートなど啓発品を手渡した。同園では6月、エンジン停止後に車両後方のスイッチを押して警報を解除する「安全装置」を導入した。西尾理事長は「装置に頼るのではなく職員一人一人がその都度注意し、ヒューマンエラーをなくすことが大切。ステッカーに恥じないよう、子どもの安全安心を担保していきたい」と気を引き締めた。
 同課の鈴木安由美課長は
「(暑くなり)熱中症の危険性が高まる中、県全体で子どもの命を守る意識を高めたい」と強調し、「園はマグネットシートの貼り付けに併せて、安全管理の取り組みについて保護者に説明してほしい」と述べた。
 国は4月から、通園バスに安全装置の設置を義務付けている。熱中症のリスクが高まるため可能な限り今月末までの導入を求めていたが、県によると県内の保育施設などが運行する通園バスへの設置率は今月末時点で70・5%にとどまる見込み。

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