テーマ : 福祉(障がい者・子ども)

医療的ケア児に入園枠 藤枝市、公立保育園で新設へ

 藤枝市は24年度、公立保育園に入園を希望する日常的に人工呼吸器やたんの吸引など医療行為が必要な「医療的ケア児」のための受け入れ枠を新設する。従来は保育園の入園選考を親の勤務時間の長さなどに応じて審査してきたが、医療的ケアで短時間勤務を余儀なくされたり、思うように働けなかったりする家庭が親の在宅時間の長さで落選することが問題視されていた。新たに枠を設け、医療的ケア児の保育園での受け入れ強化を図る。市こども課によると、県内の公立保育園では珍しい措置という。
 市は市立前島保育園に枠を設置し、本年度から受け入れ調整に入る。秋ごろから来年度の入園調整が始まるため、7~9月に入園手続きについて説明。希望する家庭は集団保育が可能であることを示した医師の意見書を準備し、同園で体験保育に参加する。市や園などでつくる就園支援会議で対象児への支援を検討し、集団保育が可能と判断された場合は保育の必要性が高い子どもから入園を決める。可能でないと判断されたら市が別の福祉施設を検討、紹介する方針。
 同園は現在、2人の看護師が勤務する。受け入れ人数はケアの度合いと保育士や看護師の体制によって異なるため基準は決まっていないが、市は1人~数人を見込んでいるという。市内に10人いる未就学の医療的ケア児の家庭に7月から措置を案内し、他の公立保育園でも2025年度から枠を導入する予定。地域でサービスの格差を生まないよう私立保育園にも受け入れの体制構築を促す。
 医療的ケア児の保育所などでの受け入れを拡充させるには、人材や財源の確保が課題という。市は受け入れに関するガイドラインを策定中で、国庫補助制度の活用を検討する。
 市こども課の岡村敏明課長は「体制を強化することで子どもの健やかな成長と保護者の生活、就労支援につなげたい」と話す。

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