テーマ : 福祉(障がい者・子ども)

裾野市 虐待把握も説明せず入園募集 公表後、保護者から希望変更殺到「知っていれば…」

 2023年度の保育施設新規入園希望について、裾野市が私立さくら保育園(同市公文名)の虐待行為を把握しながら、保護者らに公表しないまま申し込み受け付けをしていたことが19日、市への取材で分かった。市は受け付け終了後に事案を公表したため、希望施設を変更する申し込みが殺到。一部保護者らは手続きのやり直しを強いられている。

裾野市役所
裾野市役所

 公立と私立の認定保育園、こども園、小規模保育所計13カ所の入園希望は市が受け付け、保護者の就労状況などを基に受け入れ先を決めている。
 市によると、さくら保育園関係者からの通報で8月17日に保育士3人による園児への虐待行為を把握。同月22日には園に対して、是正指導を行った。その後、市は23年度の入園希望者に状況を説明しないまま9月20日から申込書類を配布。10月17~28日に希望施設の申し込みを受け付けた。
 市が虐待行為を公表したのは、通報から3カ月以上たった11月30日。例年は同月末までに締め切る希望変更の受付期間を12月16日まで延長したところ、さくら保育園と系列施設の希望者73人が他施設への変更を申し出た。
 市健康福祉部は「園からの報告が遅れるなどし、虐待事案の正確な把握ができなかった」と説明している。一方、変更を申し込んだ保護者からは「虐待を知っていれば、最初からさくら保育園を希望しなかった」との声が出ている。
 同部は村田悠市長への報告も11月28日と大幅に遅れた。村田市長は「把握した8月に公表すべきだった」として、同部の責任者3人を懲戒処分にする方針を発表。管理監督責任を取り、自身も報酬2カ月分を全額返上する考えを明らかにしている。

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