テーマ : 福祉(障がい者・子ども)

不思議わくわく じっくり観察...学校司書の先生おすすめの本【親子の本棚】

 楽しい夏休みも残りわずかとなりました。今月のテーマは「発見」。皆さんはこの夏、何かを見つけましたか。意外と身近なところに大きな発見があるのかもしれません。化石の発掘に夢中になった女の子のお話や、自由研究のヒントになる本もありますよ。

「くらべるえほん たべもの」
「くらべるえほん たべもの」
「まちにはいろんなかおがいて」
「まちにはいろんなかおがいて」
「きみもできるか!? 天才科学者からの挑戦状」
「きみもできるか!? 天才科学者からの挑戦状」
「海辺の宝もの」
「海辺の宝もの」
「くらべるえほん たべもの」
「まちにはいろんなかおがいて」
「きみもできるか!? 天才科学者からの挑戦状」
「海辺の宝もの」


 「くらべるえほん たべもの」
 おいしそうな食べ物の絵がふたつ。よーく見て! 比べてみると、どこが違う? 何が違う? 同じように見えてもよーく比べて見ると…。スイカやバナナ、メロンクリームソーダ。本物そっくりの絵は、見ているだけでおなかがすいてきそうです。答えは一つだけじゃないかもしれませんよ。いろんな見方でじっくり観察してみてください。
 あれ? おいしそうなにおいにつられて、アリたちがやってきましたよ。親子で一緒に本のすみずみまでながめてみましょう。解説を読んだ後、もう一度見てみると、新しい発見があるかもしれません。くりかえし何度でも楽しめる、発見絵本です。
 (丸橋和実)

 「まちにはいろんなかおがいて」
 表紙を見てください。信号機の押しボタンです。よく見ると顔に見えてきませんか? ぼくがてくてく歩いていくと、いろいろな「顔」に出合います。「よう、げんきかい?」「おでかけですか?」と聞かれると、ぼくは「ちょっとそこまでさんぽにね」とこたえます。きげんのいい顔、しぶい顔、まいったなぁもうと言っている顔、いいことを思いついた顔は、何を思いついたのかな?
 裏表紙のマンホールは葉っぱがとんできて鼻になっています。どんな顔に見えますか? この本を読み終わったら、顔探しに出かけたくなります。いつもの町に、楽しい発見があるかもしれませんね。
 (小宮山理恵)

 「きみもできるか!? 天才科学者からの挑戦状 はじめての科学実験図鑑」
 アイザック・ニュートンを知っていますか? ニュートンはりんごが落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見した科学者です。ほかにも太陽光線がガラスのプリズムを通りぬけるときに色の帯に分かれるのを見つけて、虹の色を解明しました。
 この本は見開きページの左側で天才科学者たちがどのようにして後世に伝わる発見をしたのか、イラストで紹介しています。右側のページは「挑戦状」として発見の疑似体験ができる実験がのっています。ぜひ実験に挑戦してみましょう。今度は皆さんが新しい発見をするかもしれませんよ。夏休みの自由研究にもおすすめです。
 (山梨由美子)

 「海辺の宝もの」
 メアリー・アニングは約200年前、英国の労働者階級の家庭に生まれました。幼い頃から、父が採取する変わり石と呼ばれるアンモナイトやウミユリなどの化石に魅了されます。父の死後も変わり石を売って家計を助け、危険な場所での発掘を続けました。
 そして、12歳の時に兄の協力を得て、新種の爬虫[はちゅう]類の化石を発掘します。それは、魚竜の発見で、科学者によりイクチオサウルスと命名されます。身分差別の厳しい社会でしたが、独学で発掘と調査を重ね、後に首長竜や翼竜の化石も発見します。女性で初めて古生物学界に大きな貢献をした化石発掘者の子ども時代のお話です。
 (中村尚子)

 取り上げた本
  「くらべるえほん たべもの」(ちかつたけお作絵、Gakken、1430円)
 「まちにはいろんなかおがいて」(佐々木マキ文・写真、福音館書店、990円)
 「きみもできるか!? 天才科学者からの挑戦状 はじめての科学実験図鑑」(マイク・バーフィールド作絵/岡フリオ朋子訳、ポプラ社、1980円)
 「海辺の宝もの」(ヘレン・ブッシュ著/鳥見真生訳、あすなろ書房、1650円)

 <静岡市内の学校司書のグループが担当しました>

いい茶0

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