テーマ : 福祉(障がい者・子ども)

葉笛を楽しもう 葉っぱ使って愉快な音【もっと自然遊び ちょこっとラボ⑱】

 自然の中にはたくさんの不思議と遊びが隠れていますが、子どもがそのことに気づくためには、自然を好きな大人がそばにいるのが一番効果的です。目の前でやって見せるだけで、自分から自然物に手を伸ばし、見よう見まねでマスターしていきます。その楽しさが仲間に伝わり、自然遊びの輪が広がるのです。

草笛と葉鉄砲、うまく鳴らせるかな。こつをつかんで楽しもう
草笛と葉鉄砲、うまく鳴らせるかな。こつをつかんで楽しもう
草笛と葉鉄砲、うまく鳴らせるかな。こつをつかんで楽しもう

 身近な葉っぱを使って、愉快な音がする笛を簡単に作れます。どんな葉っぱがどんな音色を立てるか楽しみです。まずはキジ笛。ササや夏草など細長い葉っぱを摘んで、両手の親指の間に挟んで吹くだけで、鋭い音が出ます。狭い隙間に息を吹き込むと、気圧が下がるために、葉(楽器ではリードと呼ぶ)が震えて音が発生します。
 高く澄んだ音が出たら、今度は低音に挑戦してみましょう。親指を少し曲げて葉っぱの張りを緩めるだけで、低い音になります。言葉で吹き方を伝えるのは難しいのですが、実際に手や口元を見てまねるうちに、難なく音が出ることもあります。キジ笛は顔の前で手を合わせた姿が祈っているように見えるので「拝み笛」とも呼ばれます。
 次は葉鉄砲に挑戦。カラムシやクズ、アカメガシワ、イタドリなど葉面が大きくて柔らかい葉っぱは「ポンッ」という破裂音を出せます。片方の手で筒を作り、その上に葉をのせ、もう片方の手のひらでたたくだけですが、やみくもに強くたたいても、痛いだけで良い音は響きません。
 葉っぱのない状態で、軽くたたいただけでよい音がする手の形や位置を見つけておくのが秘訣[ひけつ]です。手の筒は小さめに作り、たたく手は軽く丸め、空気を包んで葉に押し当てるのがこつです。
 この他にも、草や木の葉っぱを使って音を出す方法はたくさんあります。音の発生する原理や方法には共通点が多いので、一つの葉笛を覚えたら、鳴らせる笛の数は確実に増えていきます。
 古代の人々も同じように、自然物を使って自在に音を操る楽しさを覚え、楽器作りや音楽に夢中になりました。子どもは遊びながら、自然の手応えを感じることで、この世界と一体感を味わい、生きることに意欲的になるのです。(山田辰美/常葉大名誉教授)

 

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