テーマ : 福祉(障がい者・子ども)

新聞への愛着、絵本に 天浜線社員の谷さんが出版 経験基に物語

 天竜浜名湖鉄道社員の谷友孝さん(33)=浜松市天竜区=が5月、新聞をテーマにした初の絵本作品「ぱぱのえほん」を出版した。父猫が毎日読んでいる新聞が気になる子猫の好奇心を通し、紙の新聞に対する自らの思い入れを描いた。

新聞をテーマにした絵本「ぱぱのえほん」を出版した谷さん=浜松市天竜区
新聞をテーマにした絵本「ぱぱのえほん」を出版した谷さん=浜松市天竜区

 普段は本社車両基地で車両整備を行っている谷さん。幼少期から物語が好きで、「いつか自分で書いてみたい」という思いを抱いてきた。制作の契機になったのはめいの存在。楽しそうに絵本を読む姿を見て、幼い頃の自分を思い出した。
 「私も母とよく図書館に行って本を読んでいた。自分の本を、当時の私と同じくらいの子どもが読んでくれたらいいなと思い、初めての絵本作りに挑戦した」
 約半年をかけて文章と絵を自作。作品は出版社が主催する絵本コンクールに応募した。受賞はならなかったが、編集者から声がかかり、出版がかなった。
 作品のテーマ選びでも自身の経験を重ねた。新聞好きの祖父の影響で、子どもの頃から身近にあった新聞。その情景と記憶を元に、未知の「絵本」に興味を募らせる子猫の視点を軸に物語を紡いでいる。
 記事のデジタル化が進む中、現在も紙の新聞を愛読するという谷さん。「インキのにおいや手触りも含め、新聞の情報の豊かさはデジタルでは味わえない」と語る。絵本の図書館への寄贈も計画しており、「読んだ子どもが、新聞に関心を持ってもらえればうれしい」と思いを込める。

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