テーマ : 美術・絵画・写真

上栫さん(富士)2回目の最高賞 編物手芸新作コンクール 四角形刺しゅう連ね大作 ノルウェー伝統技法を活用

 富士市の上栫[かみかこい]洋子さん(60)が、日本編物手芸協会が主催する本年度の「編物手芸新作コンクール」で、最高賞の文部科学大臣賞を受けた。受賞作はノルウェーの伝統技法「ハーダンガー刺しゅう」による80センチ四方の大作で、同賞は2019年度に続き2回目。20年近く刺しゅうに取り組み、「さまざまな技法を身に付けることで、自分にしか作れない作品ができるのが魅力」と奥深さを語る。

ハーダンガー刺しゅうの魅力を語る上栫洋子さん=富士市
ハーダンガー刺しゅうの魅力を語る上栫洋子さん=富士市
文部科学大臣賞を受賞した作品
文部科学大臣賞を受賞した作品
ハーダンガー刺しゅうの魅力を語る上栫洋子さん=富士市
文部科学大臣賞を受賞した作品

 ハーダンガー刺しゅうは布目を数えながら針を刺し、織り糸を切ってかがり、透かし模様を作り上げていく技法。模様を組み合わせると繊細なレースのような作品ができる。
 上栫さんは40代の時、夫の赴任先であるメキシコでハーダンガー刺しゅうに出合った。四角形の刺しゅうの集合体を作っていく工程に面白さを感じた。とはいえ「図面通りでなければ完成せず、間違えたらほどくという作業を繰り返す」。クッションに始まり、ピアノカバーなどを作り、技術を高めていった。
 今回、ハーダンガー刺しゅうに、糸をきつく引いて模様を作る「アジュール刺しゅう」を組み合わせた。制作には8カ月を要した。「技術的には問題なく、新しいデザインを考えるのが楽しかった」と振り返る。
 3年ほど前から自宅で教室を開く。新型コロナウイルス禍により自宅で過ごす時間が増えたことから、新たな趣味として挑戦する人もいるという。「刺しゅうなどの手芸は、レベルが上がって難しさを感じると途中でやめたくなることがある。そんな時は別のことをするなどして、楽しみながら取り組むのが上達のこつ」と話す。

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