テーマ : 美術・絵画・写真

村上隆さん個展 もののけと遊ぶ 京都

 漫画やアニメといった日本の大衆文化と伝統美術を結び付けた「スーパーフラット」の概念を提唱し、現代アートに大きな影響を与え続けている美術家の村上隆さん。2001年、15年に続く国内3度目の大規模個展「村上隆 もののけ 京都」が、京都市京セラ美術館で開かれている。9月1日まで。

「村上隆 もののけ 京都」展示風景、京都市京セラ美術館、2024年 (c)2024 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co.,Ltd.All Rights Reserved.
「村上隆 もののけ 京都」展示風景、京都市京セラ美術館、2024年 (c)2024 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co.,Ltd.All Rights Reserved.

 中央ホールには、東日本大震災をきっかけに、災厄から人々を守ってほしいという祈りを込めて制作された高さ約4.3メートルの「阿像」「吽像」が鎮座する。その間を抜けて会場に入ると、江戸初期の絵師、岩佐又兵衛の「洛中洛外図屛風」をリメークした巨大な「洛中洛外図 岩佐又兵衛rip」が目に飛び込んでくる。京都の町を俯瞰[ふかん]した構図で、何度も模写されてきた画題だ。
 京都の中心とされてきた六角堂をモチーフにした「六角螺旋堂」も、高さ約5メートルの立体作品。周囲には京都の四方を守護する青龍、朱雀、白虎、玄武の絵を配する。さまざまな「もののけ」と共に歩んできた京都・平安京の歴史が凝縮されているかのような空間だ。
 新作や国内初公開の作品を中心に、約170点が見られる。本展の主任キュレーターを務める高橋信也さんは「村上作品は歴史の勉強でも何でもない。誤読ありで、いかようにでも読んでくださいというのが前提となる」と話す。

 

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