テーマ : 美術・絵画・写真

静岡の書家・柿下木冠さん追悼展 故郷への思い、濃淡やかすれで雄弁に

 昨年10月4日に亡くなった静岡市駿河区の書家柿下木冠(かきした・ぼっかん)さん(1940~2023年)の追悼展が15日、同市葵区のギャラリーえざきで始まった。

昨年10月に亡くなった柿下木冠さんの近作を紹介する追悼展=静岡市葵区のギャラリーえざき
昨年10月に亡くなった柿下木冠さんの近作を紹介する追悼展=静岡市葵区のギャラリーえざき

 同ギャラリーでの隔年開催が定着していた柿下さんの「近作小品展」に連なる展覧会として教え子らが企画。22年以降の作品を中心に、書道研究会「抱一会」などで柿下さんと切磋琢磨(せっさたくま)した書家大石千世さん(同市葵区)が20点を選んだ。
 飯田蛇笏の句を縦横の文字列で踊らせた作品、故郷・川根本町の山や草木への思いを一文字に込めた「象書」など、熟練の筆遣いによる濃淡の墨の走り、にじみ、かすれが題材を雄弁に表現する。ウクライナの平和をこいねがう書も複数展示され、作品と社会の接続に意識的だった故人の姿を浮かび上がらせた。
 柿下さんの次女・藤村弘子さん(50)は「父そのものを見せる展覧会になった」と感慨を込めた。
 会期は20日まで。

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