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テーマ : 事件事故しずおか

動画頼りに屋根瓦修繕か 詐欺グループ、実務経験乏しく 三島署など7人再逮捕

 必要のない屋根瓦の修繕工事を施し、費用を高齢者からだまし取ったなどとして県警に詐欺と特定商取引法違反(不備書面交付)の疑いで逮捕された詐欺グループが、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで得た情報を頼りに施工していたとみられることが17日、静岡県警への取材で分かった。逮捕された7容疑者のうち工事を担っていた数人は実務経験がなく、独学で技法を把握していたとされ、三島署と富士署、県警生活保安課は雨漏り対策などに関する十分な知識や技術がないまま、効果のない工事を各地で繰り返していたとみて調べを進めている。

グループが修繕工事を施した屋根=4月中旬、富士宮市(被害者提供)
グループが修繕工事を施した屋根=4月中旬、富士宮市(被害者提供)


 三島署などは同日、詐欺と特定商取引法違反の疑いで神奈川県小田原市清水新田、屋根瓦修繕業の男、同市飯田岡、建築業の男ら7人を再逮捕した。再逮捕容疑は共謀して4月中旬、「グッドライフホーム」の事業者名を使って富士宮市の60代無職女性宅を訪ね、雨漏りの解消と防止に効果があると誤信させた上、必要のない工事を行い、修繕費として55万円をだまし取った疑い。契約の締結時、役務の種類が記載されていない書面も交付した疑い。
 同様の被害は2021年2月以降、県内外で100件以上確認されている。多くは、アポ役が「近くで工事している」などと瓦屋根の住宅を突然訪ね「瓦がずれているので見ましょうか」と持ちかけ、早ければ同日中に複数人で再訪して屋根を点検し「修理が必要」などと言って契約を結んでいた。契約後数日内に工事を済ませる手口で、県警はクーリング・オフを利用させないようにしていたとみている。
 被害を受けた女性によると、施工した男は「設備投資や道具がいらず、技術だけでやっていける。割と良い仕事」などと話していたという。作業は1日半で終わり、施工後の屋根瓦の写真を見せられた時は「この程度の工事で大丈夫なのか不思議だったが、『こんなもんかな』とも思ってしまった」と振り返った。7月ごろまでに雨漏りなどの防止効果はないと聞き「雨が降るたび心配になる」と現在の心境を吐露した。

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