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大井川鉄道の在り方検討会 早期運行再開で一致 8.4億円の財源確保焦点

 2022年9月の台風15号で被災し一部区間で運休が続く大井川鉄道(島田市)の在り方検討会が26日、県庁で開かれ、早期の運行再開を目指す方針で一致した。運行再開に必要な費用約22億円のうち、大鉄の負担額は8・4億円以上になる見込みで、財源をどう確保するかが今後の焦点となる。具体的な再開時期は明示しなかった。

大井川鉄道の早期運行再開を目指す方針を確認した検討会=26日午後、県庁
大井川鉄道の早期運行再開を目指す方針を確認した検討会=26日午後、県庁

 検討会は国や県、大鉄のほか、沿線の静岡市、島田市、川根本町などで構成。新型コロナウイルスや自然災害の影響で厳しい経営環境が続く中、観光資源としての重要性や地元の要望などを踏まえ、24年度も全線復旧に向けた検討を継続していく。資金調達の手段としてクラウドファンディング(CF)や企業版ふるさと納税が選択肢に挙がっている。大鉄の経済波及効果についても検証するとした。
 大鉄の鈴木肇社長は会合後の取材に「全線復旧を目指す意思統一がされたことに感謝したい。今の事業収益で災害復旧費用を賄うのは難しいが、最大限努力していく」と強調した。県地域交通課の平野隆広課長は運行再開時期について問われ、「そんなに時間はかけられない。できるだけ早く再開したい」と述べるにとどめた。
 検討会は昨年3月に発足し、全線復旧を前提とせずに公共交通の在り方を議論してきた。この日の会合では早期の運行再開を目指す方針に反対意見は出なかった。
 大鉄は台風15号により全線で土砂流入などの被害を受け、現在も川根温泉笹間渡―千頭間(19・5キロ)が運休している。運行再開に必要な費用の内訳は、台風の被災箇所の復旧が約4・8億円、経年劣化したトンネルや軌道整備が17・3億円。
 (政治部・森田憲吾)

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