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スケートボード・根附海龍 五輪予選ランク6位 島田出身の20歳 異彩の新星 パリへ急浮上【しずスポ】

 独創的なオリジナルトリックで、パリ五輪代表候補に名乗りを上げた。スケートボード・ストリート男子の根附海龍(20)=DC Shoes、島田市=が昨年末の世界選手権で準優勝。五輪ランク6位(日本人3番手)に浮上した。世界的にも異彩を放つ新星が狙うのは、日本人2大会連続の金メダルだ。
スケートボード・根附海龍
 根附の武器は、かかとを使ってボードを縦回転させる「ヒールフリップ」。多くの選手がつま先で板をはじくキックフリップをベースにする中で、逆向きに回転するボードはひときわ映える。基本技術の一つではあるが、そこに多彩な動きを組み合わせて世界トップレベルのトリックに仕立てているボーダーはほぼいない。「決まれば衝撃を与えられる」という代名詞だ。
 スケートボードに乗り始めた小学校低学年のころから、すぐ隣にはいつも一歩前を行く同い年のライバルがいた。青木勇貴斗(ボードライダーズジャパン、静岡市清水区)。根附が「初めて見たときからうまかった。仲良くなってから毎日一緒にいた」と話す親友は2021年、東京五輪に出場した。
スケートボード・根附海龍
 結果は17位で予選敗退。青木の実力を知る根附にとって驚きだった。「普段なら緊張しても決めてくる。予選敗退は絶対にない。そんな勇貴斗があれだけのプレッシャーを感じた五輪はどんな舞台なのか」。好奇心に駆られ、同じ舞台を目指すようになった。昨年9月の五輪予選第4戦(スイス)で初めて決勝に残り4位。世界選手権は「やりたい技をやって得点が伸びた」と初の表彰台に立ち自信を深める。
 スケートボード以外に夢中になったものはない。「一番格好いいし面白い。スケボーがなければ何をしていたか想像もできない。みんなにもやってほしい」。五輪は魅力をアピールする絶好機だ。
 根附にはまだ、五輪予選で決めていない大技がある。「ヒールバックテールビッグスピンアウト」。世界選手権はわずかに失敗したが、成功させるイメージはある。「五輪はスケーター以外の人も見る。人と違う滑りで面白さを伝えたい」。花の都で誰よりもインパクトを残す。
 (山本一真)

 選考の仕組み 6月の五輪ランキングで男女とも20人のパリ行きが決まり、日本は最大の3枠確保が有力。予選は3月の第6戦で前半戦を終え、上位44人(各国・地域最大6人)が後半戦に進む。日本男子は第5戦を終えた現時点でトップ10に5人がひしめく。後半戦の2試合は優勝ポイントが3倍超に跳ね上がる。
パリ五輪予選ランキング(第5戦終了時)
 ねつけ・かいり 2003年8月19日、島田市出身。小学1年からスケートボードを始め、19年に世界最高峰のアマチュア大会「TampaAM」で優勝した。中学2年からプロとしても活動する。名前の由来は「海のように広く、龍のように強く」。DC Shoes所属。20歳。

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