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島田事件で再審無罪 赤堀政夫さん死去 94歳

 島田市で幼女を殺害したなどとして死刑が確定後、1989年に静岡地裁で再審無罪判決を受けた赤堀政夫さんが22日午後、名古屋市内で死去した。94歳。関係者への取材で分かった。

赤堀政夫さん
赤堀政夫さん
2019年にも故郷の島田市で支援者らと歓談した赤堀政夫さん
2019年にも故郷の島田市で支援者らと歓談した赤堀政夫さん
赤堀政夫さん
2019年にも故郷の島田市で支援者らと歓談した赤堀政夫さん

 島田市で54年に発生した幼女誘拐殺害事件は「島田事件」と呼ばれた。殺人などの罪に問われた赤堀さんは、一審静岡地裁の初公判で自白を強要されたとして無罪を主張した。しかし、地裁は58年、求刑通り死刑判決を宣告し、最高裁で確定した。赤堀さんは無実を訴え続け、4度にわたって再審を請求。第4次再審請求審で静岡地裁は86年、再審開始を決めた。再審公判は87年に地裁で始まり、89年に無罪が言い渡された。
 赤堀さんは長く名古屋市で暮らしてきた。2015年には先祖の墓参りで島田市に帰郷した後、再審開始と死刑・拘置の執行停止決定で釈放された袴田巌さん(87)を浜松市内の自宅に訪ねて初めて対面し「体を大事に」と激励していた。
 支援者によると、赤堀さんは2023年12月に肺炎にかかって入院した。退院後は、医療措置が可能な施設で過ごしていたという。
 袴田さんの再審開始は23年3月に確定し、同10月からは静岡地裁で再審公判が行われている。赤堀さん以降に死刑囚が再審無罪となったケースはなく、袴田さんが続けば5人目となる。
 (社会部・佐藤章弘)

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